設備保全の現場では、人手不足や設備の老朽化、技術・ノウハウの属人化、紙やExcelによる非効率な管理など、さまざまな課題があります。こうした課題を解決する手段として注目されているのが「設備保全DX」です。
本記事では、設備保全DXの基本から、解決できる課題、ツールでできること、導入メリットや進め方、実際の導入事例まで詳しく解説します。

設備保全DXとは
設備保全DXとは、デジタル技術を活用して、工場やプラント、ビルなどの設備保全業務を効率化・高度化する取り組みです。設備台帳や点検記録、故障履歴などをクラウド上で一元管理するほか、スマートフォンやタブレット、IoTセンサーなどを活用し、現場の情報をリアルタイムで共有します。
紙やExcelを中心とした管理から脱却することで、点検漏れや情報共有の遅れ、業務の属人化といった課題を解消し、設備故障の予防や保全担当者の負担軽減につなげられます。
そもそも設備保全とは
設備保全とは、工場やプラント、ビルなどで使用する設備・機械を正常な状態に維持し、安全かつ安定して稼働させるための活動です。設備の点検やメンテナンス、修理、部品交換などを行い、故障やトラブルを防止します。
適切な設備保全を行うことで、突発的な設備停止による生産への影響を抑えるほか、製品品質の維持、従業員の安全確保、設備の長寿命化などにつながります。
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設備保全の3つの種類
設備保全は、故障への対応方法や保全を行うタイミングによって、大きく3つに分けられます。それぞれの特徴を理解し、設備の重要度や故障リスクに応じて使い分けることが重要です。
・事後保全
・予防保全
・予知保全
事後保全
事後保全とは、設備や機械に故障・不具合が発生した後に、修理や部品交換を行う保全方法です。故障しても生産や安全への影響が小さい設備などに適しています。
計画的な点検・交換を抑えられる一方、重要設備で突発的な故障が発生すると、生産停止や修理費用の増加につながる可能性があるため、対象設備を適切に選ぶ必要があります。
予防保全
予防保全とは、設備が故障する前に定期的な点検やメンテナンス、部品交換を行い、故障を未然に防ぐ保全方法です。稼働時間や使用期間などを基準に保全時期を設定します。
計画的に対応できるため突発故障を抑えやすい一方、設備の状態にかかわらず部品交換などを行う場合があり、過剰な保全につながる可能性があります。
予知保全
予知保全とは、設備の状態や稼働データを継続的に把握し、故障の兆候を捉えて必要なタイミングで保全を行う方法です。
IoTセンサーなどを用いて振動や温度、圧力などのデータを収集・分析することで、異常の兆候を早期に発見します。適切なタイミングで保全できるため、突発故障と過剰なメンテナンスの双方を抑えやすくなります。
設備保全DXが解決する課題
設備保全の現場では、人材不足や設備の老朽化などさまざまな課題があります。DXによって情報を蓄積・共有し、業務を効率化することで、次のような課題の解決につながります。
・人手不足
・属人化した技術・ノウハウの技術継承
・従業員の安全確保
・設備の老朽化による故障リスク
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人手不足
設備保全では、点検や修理といった現場作業に加え、点検結果の転記や報告書作成など多くの業務が発生します。人材不足のなかでこれらを続けることは、担当者の負担増加につながります。
点検記録や写真、報告書などをデジタル化し、転記や情報整理を効率化することで、限られた人員でも設備保全業務を進めやすくなります。
属人化した技術・ノウハウの技術継承
設備の異常を見極めるポイントや故障時の対応方法などが、ベテラン従業員の経験や勘に依存している現場もあります。
設備保全DXによって点検履歴や写真、作業手順、対応方法などをデータとして蓄積・共有すれば、個人が持つノウハウを組織の情報として残せます。若手従業員への教育や技術継承にも活用でき、属人化の解消につながります。
従業員の安全確保
設備保全では、高所や狭所、稼働設備の周辺など、危険を伴う場所で点検や確認を行うケースがあります。
現場の写真や動画、点検結果などをデジタルで共有できれば、管理者が現地に移動しなくても状況を確認できる場面が増えます。また、過去の異常や事故につながる情報を共有することで、安全対策にも活用できます。
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設備の老朽化による故障リスク
設備の老朽化が進むと、不具合や突発故障のリスクが高まります。設備数が多い現場では、それぞれの状態や修理履歴を正確に把握することも容易ではありません。
設備情報や点検・修理履歴をデジタルで一元管理すれば、設備ごとの状態を把握しやすくなります。さらにIoTなどを組み合わせることで、異常の兆候を早期に捉え、計画的な保全につなげられます。
設備保全DXツールでできること
設備保全DXツールを活用すると、設備情報から点検・修理履歴までさまざまな情報をデジタルで管理できます。主な機能・活用方法は次のとおりです。
・設備台帳の管理
・マニュアル作成・共有
・リアルタイムな異常報告
・予備品の管理
・センサー・IoTの活用・連携による予知保全の実現
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設備台帳の管理
設備台帳をデジタル化することで、設備名や型式、設置場所、導入年月、メーカー、点検履歴、修理履歴などを一元管理できます。
紙やExcelなど複数の場所に情報が分散する状態を防ぎ、必要な設備情報をすぐに確認できます。現場と管理部門で最新情報を共有しやすくなり、保全計画の策定にも役立ちます。
マニュアル作成・共有
点検方法や修理手順、トラブル発生時の対応方法などをデジタルマニュアルとして作成・共有できます。
文章だけでなく写真や動画などを組み合わせることで、作業手順を視覚的に伝えやすくなります。担当者による作業品質のばらつきを抑えられるほか、新人教育やベテラン従業員が持つノウハウの継承にも活用できます。
リアルタイムな異常報告
スマートフォンやタブレットを活用すれば、設備の異常を発見した担当者が、その場で写真やコメントを添えて報告できます。
管理者や関係者がリアルタイムで情報を確認できるため、電話や紙による報告と比べて状況を正確かつ迅速に共有できます。初動を早めることで、設備停止やトラブルの拡大防止にもつながります。
予備品の管理
交換部品や消耗品などの予備品について、品目や数量、保管場所、使用履歴などをデジタルで管理できます。
在庫状況を把握しやすくなるため、必要な部品が不足して修理できない事態や、過剰在庫を防ぎやすくなります。設備の保全計画と予備品の情報を組み合わせることで、計画的な発注や交換にもつなげられます。
センサー・IoTの活用・連携による予知保全の実現
IoTセンサーなどを活用すると、設備の温度や振動、圧力、電流値などのデータを継続的に収集できます。
収集したデータから通常時とは異なる変化を捉えることで、故障する前に異常の兆候を発見し、必要なタイミングで点検や部品交換を行う予知保全につなげられます。突発故障の削減や保全業務の最適化に有効です。
設備保全DXを導入するメリット
設備保全DXは、単なるペーパーレス化だけでなく、保全業務の品質向上や設備の安定稼働にもつながります。主なメリットは次の3つです。
・点検ミス・対応遅れの削減
・設備故障・品質異常の未然防止
・担当従業員の負担削減
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点検ミス・対応遅れの削減
点検項目やスケジュールをデジタルで管理することで、点検漏れや記録漏れを防ぎやすくなります。
また、現場から点検結果や異常をリアルタイムで共有できれば、管理者による確認や指示も迅速に行えます。紙の提出や電話連絡を待つ必要がなくなり、異常発生時の対応遅れや情報伝達ミスの削減につながります。
設備故障・品質異常の未然防止
点検結果や修理履歴、設備の状態を継続的に蓄積することで、小さな変化や異常の傾向を把握しやすくなります。
さらにIoTセンサーなどから取得したデータを活用すれば、故障につながる兆候を早期に発見できる可能性があります。設備トラブルを未然に防ぐことで、生産停止や設備に起因する品質異常のリスク低減につながります。
担当従業員の負担削減
設備保全では、現場での点検だけでなく、紙への記録、Excelへの転記、写真整理、報告書作成などの事務作業も発生します。
これらをデジタル化し、現場で入力した情報をそのまま共有・活用できる仕組みを整えることで、二重入力や転記作業を削減できます。担当者の事務負担を軽減し、本来の点検・保全業務に時間を充てやすくなります。
設備保全DXを導入するステップ
設備保全DXは、いきなりすべての業務をデジタル化するのではなく、課題を整理したうえで段階的に進めることが重要です。基本的な導入ステップは次のとおりです。
・課題の可視化
・スモールスタートで試験導入
・効果検証とフィードバック
課題の可視化
まずは現在の設備保全業務を整理し、どこに課題があるのかを明確にします。「点検記録の転記に時間がかかる」「設備情報が分散している」「異常報告に時間がかかる」など、具体的に洗い出しましょう。
課題を可視化したうえで優先順位を付けることで、導入するDXツールに必要な機能や導入目的を明確にできます。
スモールスタートで試験導入
設備保全DXを一度に全設備・全部門へ展開すると、現場の負担が大きくなり、定着しない可能性があります。
まずは特定の設備や工場、部署など対象範囲を限定し、試験的に導入するのがおすすめです。実際の業務で操作性や運用方法を確認しながら課題を洗い出すことで、本格展開に向けた運用ルールを整備しやすくなります。
効果検証とフィードバック
試験導入後は、導入前後で業務時間や点検漏れ、報告にかかる時間などがどの程度変化したかを確認します。
同時に、実際にツールを使用する現場担当者から意見を集めることも重要です。使いにくい点や改善してほしい点を運用方法に反映し、改善を繰り返しながら対象設備や部門を拡大していきます。
設備保全DXの導入事例
設備保全DXを進めることで、情報共有や写真・帳票管理などの効率化が期待できます。ここでは、現場管理アプリ「KANNA」を活用して業務改善につなげた2社の事例を紹介します。

デジタル帳票が工事を“見える化”。業務効率化や施工品質の向上のみならず、営業ツールとしても期待(日本ビソーさま)
日本ビソーさまでは、外装工事の施工管理・品質管理で紙帳票を使用しており、パソコンへの転記や写真データの移行、手書き文字の確認などが事務作業や残業の要因となっていました。
「KANNAレポート」導入後は、従来の帳票フォーマットを活かしながらデジタル化。現場で入力された帳票を遠隔からリアルタイムで確認できるようになり、品質管理のスピード向上につながっています。また、写真の撮影からトリミング・添付までを効率化。今後は施工プロセスを「見える化」し、顧客への品質訴求にも活用することを検討しています。
詳しい記事内容はこちらから→ 「デジタル帳票が工事を“見える化”。業務効率化や施工品質の向上のみならず、営業ツールとしても期待(日本ビソーさま)」
製造業のメンテナンス業務にKANNAを活用。写真の共有・整理を自動化し、事務作業が約30時間減(TVEさま)
TVEさまでは、発電プラントなどで使用されるバルブのメンテナンス業務に「KANNA」導入しました。従来はデジタルカメラで大量の工事写真を撮影し、データ移行やフォルダへの振り分けなどの作業が大きな負担となっていました。
「KANNA」導入後は、スマートフォンで撮影した写真がクラウドへアップロードされ、指定した場所へ整理される運用に変更。写真の移行・整理作業を効率化し、事務作業を約30時間削減しました。関係者が写真をすぐに確認できるため撮り漏れの削減にもつながり、現場へ持ち込む機器を減らすことで安全性向上にも寄与しています。
詳しい記事内容はこちらから→ 「製造業のメンテナンス業務にKANNAを活用。写真の共有・整理を自動化し、事務作業が約30時間減(TVEさま)」
設備保全業務の効率化には「KANNA」がおすすめ
設備保全DXを進めるなら、現場管理アプリ「KANNA」の活用がおすすめです。スマートフォンやタブレットから現場の写真や資料、進捗などを一元管理でき、現場と管理者のスムーズな情報共有を支援します。
また「KANNAレポート」を活用すれば、紙やExcelで運用している点検表・報告書などのデジタル化も可能です。点検・メンテナンス業務に伴う写真整理や転記、報告などの負担を減らし、設備保全業務の効率化を図りたい方は、ぜひKANNAの資料をご覧ください。

まとめ
設備保全DXは、設備台帳や点検記録、写真、報告書などをデジタルで一元管理し、設備保全業務の効率化や属人化の解消、設備故障の未然防止につなげる取り組みです。特に、人手不足や設備の老朽化が進むなかでは、限られた人員でも効率的に保全業務を行える環境づくりが重要になります。
アプリ評価No.1施工管理アプリ「KANNA」を活用すれば、設備保全に関する写真や資料、進捗情報などをクラウド上で一元管理でき、現場と管理者の情報共有を効率化できます。「KANNAレポート」を活用した点検表・報告書のデジタル化も可能です。設備保全DXを進めたい方は、ぜひ「KANNA」の資料をご覧ください。

KANNA現場ノート編集部
現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするKANNA(カンナ)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。





