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製造業のメンテナンス業務にKANNAを活用。写真の共有・整理を自動化し、事務作業が約30時間減

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株式会社TVE

「戦艦大和」を含む船舶向けバルブから始まり、石油化学プラント、火力・原子力等の発電プラントへと、屈指の鋳鋼技術を基盤に、高品質なバルブ製品の設計から鋳造、製造、メンテナンスをワンストップで行っている株式会社TVE。創業当時から綿々と受け継がれ、磨き抜かれたバルブや鋳鋼製品の製造だけでなく、あらゆる分野のインフラ設備に組み込まれた製品を長く、安定的に機能させるための保全事業にも従事されるTVEでは、そのメンテナンス業務にKANNAを導入しました。
 
高い技術力をもって社会インフラを支えるTVEは何を課題にKANNAの導入を決め、どのような効果を実感されているのか。KANNAおよびKANNAレポートを導入したメンテナンス本部 メンテナンス部の小西啓市様、古内佑樹様、山田元毅様のお三方にお話を伺いました。

KANNAを導入した目的

膨大な現場写真の移行・整理・報告書への添付にかかる時間を短縮したい

KANNAを導入する前の課題

(1)デジカメによる写真撮影ではデータ移行の手間があり、整理に至るまでに時間を要す

(2)膨大な写真をフォルダごとに振り分ける整理作業が業務を圧迫、残業の要因に

KANNAを導入した効果

(1)写真撮影管理の手段をデジカメからKANNAに完全移行。撮影と同時にクラウドへのアップロードが完了し、データ移行の手間がゼロに。デジカメの現場持ち込みが不要になり、安全性も向上

(2)写真撮影と同時に指定のフォルダに自動保存されるため、整理作業が不要になり、残業時間が削減

(3)アップロードされた写真を関係者全員が即時確認できるため、撮り漏れも大幅減

お話を伺った方

株式会社TVE
メンテナンス本部 メンテナンス部
参与 担当部長(火力事業担当)
兼 水島出張所 所長
小西啓市様(左)
 
メンテナンス部 京葉出張所
古内佑樹様(右)
山田元毅様(中央)

数千枚にものぼる膨大な工事写真の移行・整理・書類添付が業務を圧迫


—— はじめに、株式会社TVEの事業内容をお教えください。
 
小西様:各種バルブの製造販売およびメンテナンス、各種鋳鋼製品の製造販売に従事しております。バルブとは、主に配管に用いる弁類の総称です。広く一般的に使用されており、例えば、原子力発電所や火力発電所をはじめとする産業用プラントの安全かつ安定した運用にも、バルブが欠かせません。我々は国内だけでなく、海外の企業に向けても高性能・高品質の製品を提供しています。
 

 
TVEの創業は1922年。バルブやコック、スチームトラップを製造販売する「太田工業商会」として創業し、現在の社名へと改称したのは2020年のことですが、設立から100年以上の歴史を持ちます。私たちの強みは、100年企業であるからこその技術力と対応力。バルブの鋳鋼で培った技術を生かし、各種鋳鋼製品に関しても、船舶、橋梁、鉄道、さらには自動車や建設機械、工作機械や化学工業など、幅広い分野に我々の製品が用いられています。
 
原子力発電所や火力発電所にも用いられるバルブは、社会インフラを支える一翼。高い性能と品質を安定的に維持するためには、保守点検を基本としたアフターメンテナンスが不可欠です。私たちが所属するメンテナンス本部がその役割を担っていますが、KANNAを導入したのもメンテナンスの部門。バルブ保守点検の施工管理およびお客様への報告・改善提案に、KANNAを活用しています。



—— バルブのメンテナンス部門にKANNAを導入。導入の背景には、どのような課題があったのでしょうか?
 
古内様:火力発電所のバルブメンテナンスを皮切りにKANNAの導入を進めていますが、メンテナンス工事が完了した後にはお客様に向け、何をどのように修繕したのか、報告書の提出が必要になります。KANNAを導入する前は、お客様に提出する報告書は紙。30年ほど前までは工事状況をスケッチできる用紙を使用し、特に重要な品質ポイントについてはお客様にお立ち合いいただくことを前提に、工事写真に関してはご希望のある場合のみの対応でした。
 
山田様:それがデジカメの普及と高性能化によって、誰でも簡単に写真が撮れるようになったことから、お客様にお立ち合いいただかなくとも、写真を添付した詳細な報告書を提出できるようになりました。ただ、建設業界全体の品質要求レベルが上がるにつれ、報告書に添付すべき写真の数がどんどんと増加。今では1現場につき数千枚の写真を撮ることも珍しくありません。
 
古内様:また、規制緩和によって定期検査の周期が延伸された一方、一度の検査と工事にかかる作業量が増えたほか、不具合が生じた際の緊急対応が増加したという側面があります。そうした現場の負担だけでなく、私たち管理者が作成・提出するべき関連書類も増えると同時に、長時間労働の是正と人材不足をいかにカバーするかは建設業界全体が抱える課題です。私たちも同様に、より効率的な業務運用を推進することが重要課題となっていました。
 
特に工事写真のデータ移行や整理、報告書に添付する作業は、現場側と管理側双方の大きな負担になっていました。撮影は工事に従事いただく協力会社の方にお願いしていますが、その写真を整理するには、まずは協力会社の方からデータの入ったSDカードを営業所まで届けてもらい、パソコンに取り込む必要があります。ただ、私たち管理側にも現場監督の業務があるため、日ごとにデータを取り込むことは難しく、ある程度まとまった段階でパソコンに移行していました。


そして、データをパソコンに取り込んだ後には、この写真はどの部分を撮影したものなのか、振り分けの作業が必要になります。写真の見分けは付きますが、何しろ数が膨大です。17時に現場業務が終わり、各現場から営業所に戻ると早くても18時。長時間労働の是正が進む昨今は休日に事務作業をすることも難しく、写真整理のために残業をすることも多くありました
 
山田様:1現場につき何十カ所も何十枚も写真を撮るわけですから、時には撮り漏れが生じることもあります。ただし、撮り漏れに気づくのは、私たち管理者が写真を整理する段階。そうなると「この部分に撮り漏れがあったので、撮影してください」と再撮影をお願いする形になります。これでは現場の方の負担になりますし、私たちにも写真が届くまでの待ち時間が生じてしまい、報告書の作成も停滞してしまうため、業務効率化のための改善が必要でした。


KANNAならデータ移行も整理も不要。端末を選ばず導入コストも大幅減


—— 写真のデータ移行と整理、報告書作成にまつわる業務効率化を目的にKANNAを導入されたのですね。では、そのためのツールにKANNAを選ばれた理由はどこにあったのでしょう?
 
古内様:撮影した写真を自動的にクラウドへアップロードできれば、パソコンへのデータ移行の手間がなくなります。そうした見込みを前提に広くDXツールを模索していたところ、私たちの求める要素に最も合致したのがKANNAでした。当初は工事写真の管理に特化した別のDXツールを検討していましたが、そのツールは専用端末でしか使えず、オフラインでの使用は不可。それがKANNAならiPhoneでもAndroidでも、タブレットでもパソコンでも使用でき、通信環境のない現場でも撮影できます。発電所内は電波状況があまり良くないことが多いため、これは重要な要素です。
 
また、使用できる端末が限られるとなると、端末の新規購入のために導入コストがはね上がるほか、現場に持ち込む道具も増えます。持ち込む道具が増えるということは、道具を落とす可能性が上がるということ。バルブに物を落とすことが欠陥につながるため、持ち込む道具は最低限に抑えたい。その点、会社支給のスマホで使えるKANNAなら道具が増えません。
 
また、KANNAは他社へ付与するアカウントが無制限・無料であり、コスト面でのメリットも大きいことが導入の決め手となりました。協力会社の方が撮影した写真をパソコンに移行する手間を削減するには、協力会社の方もKANNAの活用が大前提であり、付与するアカウントが増えるごとに費用が増加するのであれば、活用を推進していく際のメリットが損なわれていきます。
 
山田様:それにKANNAのUIはとても直感的。親しみやすく、誰でも簡単に操作できます。写真に関しても自分が担当している案件を選び、撮影対象となる名前の付いたフォルダを選択後に、スマホで撮影するだけ。それだけで選択したフォルダに写真が自動保存され、きれいにインデックス化された状態でクラウドへのアップロードまで完了します。となれば、残業の大きな原因となっていた写真を整理する作業が不要に。しかも、案件に連なる小番フォルダも自動生成されるため、着工の準備段階にかかる事務作業も削減できます。


古内様:加えて、KANNAレポートのオプションも決め手の一つです。Excelで作成した報告書のフォーマットをそのままスマホやタブレットに取り込むことができ、デジタル記入が可能なKANNAレポートを活用すれば、営業所に戻らずとも、すき間の時間に報告書の作成を進められます。つまり写真のデータ移行と整理にとどまらず、報告書の作成まで効率化できると考えました。
 

作業時間が約30時間減、写真の撮り漏れや再撮影の防止にも


—— では、実際にKANNAを導入され、どのような効果をお感じですか?
 
山田様:協力会社の方々も戸惑うことなく、皆さんが今まで使用していたかのように、普通に使いこなされています。今では現場にデジカメを持ち込むことが一切なくなり、写真撮影の手段をデジカメから手持ちの携帯プラスKANNAへ完全移行できました。
 
写真を撮影する際のフォルダ選択に関しても協力会社の皆さんがスムーズに理解くださり、これも期待どおりにデータ移行と整理の手間が一気に解消されました。2024年10月から11月末までの2カ月間、KANNAを活用している柳井出張所、京葉出張所、水島出張所の3カ所、計19件の工事をもとにKANNAの導入効果を算出しましたが、非常に大きな効果を得られています。
 
従来のデジカメとSDカードを用いる方法では、データ移行や整理といった事務作業に多くの時間を割いていました。それが2カ月間の作業時間を149.5時間と想定すると、KANNA導入後は120.2時間にまで短縮。29.3時間も削減された結果になります。
 
古内様:合わせて費用対効果の算出もしましたが、こちらも前向きな結果を得られています。しかも、検証をした10月から11月は忙しさのピークを越え、現場業務が落ち着き始めるタイミングです。私たちの業界では春と秋に繁忙期を迎えるため、その時期になれば、より高い効果が出るはずです。そうした数字だけでなく、私たちの体感としても残業が減っています
 
山田様:KANNAの導入後は、写真の撮り漏れが大きく改善されました。KANNAは撮影完了と同時に、リアルタイムな共有が可能です。新たな写真がアップロードされるたびにプッシュ通知来ることから、確認も迅速化。写真を撮った本人以外の関係者が「この部分の写真が足りないぞ?」とタイムリーに気づけることから、撮影者が現場にいる段階で撮り漏れを指摘できます。
 
KANNAなら撮影直後からにインデックス化された状態で見返せるため、撮影した本人も撮り漏れに気づきやすくなったほか、案件に連なる小番フォルダを確認することにより、どこの部分を撮影するべきなのかが明確になったことから撮り漏れが大幅に減りました。また、撮影手段がデジカメから最近のオートフォーカスが優秀なスマホに変わったことからピンボケを理由に再撮影を行うことなく、KANNA導入のメリットを享受できています。
 
古内様:KANNAレポートに関しては本格運用に向けた準備段階ではありますが、スマホから報告書の記入ができることから大いに期待しています。
 
ただ、私たちが報告書に用いているフォーマットでは、写真の貼り付けは横向き。とはいえ、時には縦向きで撮影してしまうこともあります。KANNAを導入した段階では報告書に添付する前に都度横向きに修正していましたが、このひと手間を省くためにKANNAの開発・運営元であるアルダグラムの方に相談したところ、写真を貼り付ける際の回転機能も実装予定ときいており、サポート体制にも大変満足しています。

TVEが実際に使用しているKANNAレポートのパソコン画面。現場の写真を貼り付け報告書をデジタルで作成


作業をスマホ上のKANNAに一本化。効率化と同時に現場の安全性も向上


—— ありがとうございます。それではKANNAのようなDXツールも活用されながら、御社はどう発展されていくのか。最後に、今後の展望をお聞かせください。
 
小西様:古内の話にもあったように、アルダグラムの方は私たちの要望を真摯に聞いてくださり、実際の対応もスピーディーです。写真を報告書に貼り付ける際の回転機能が実装されたなら、いよいよ、KANNAレポートも本格活用もスタートできます。となれば、写真の撮影から整理に報告書の作成まで、すべてをスマートフォンに一本化できる。これは非常に大きなことです。
 
撮影も整理も報告書の作成もスマホ上のKANNAに一本化できれば、業務効率化が進むのはもちろんのこと、現場の安全性も向上します。火力にしても原子力にしても、発電所は非常にセンシティブ。何か物を落としたり、置き忘れたり、ちょっとしたミスが甚大な事故につながりかねない現場です。今後、KANNAの活用を進めれば、現場に持ち込む道具も減らすことができます
 
また、KANNAにはチャットや工程管理の機能も搭載されています。まずは写真管理からKANNAの活用を始めましたが、今後は案件ごとのチャットに部材調達の担当者を招待すれば、現場から上がる追加調達の声も迅速に共有でき、リードタイムを短縮できます。そうしたことも視野にKANNAの活用を推進し、より効率的な業務運用に努めて参ります。

会社名
株式会社TVE
事業内容
バルブ製造 鋳鋼製品製造 メンテナンス工事
設立年月日
創業:1922年3月、設立:2000年3月16日
従業員数
連結 395名(2024年9月30日現在)
ホームページ
https://www.toavalve.co.jp/

記事掲載日:2025年02月02日

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