出来高報告書とは
出来高報告書とは、建設工事の進捗状況を工種や数量、金額などで整理し、一定時点までに完了した工事の出来高を発注者などへ報告するための書類です。
主に出来高に応じて工事代金の一部を請求する「出来高払い」や「部分払」の際に使用されます。工種ごとの設計数量と施工済み数量、出来高率、出来高金額などを記載し、必要に応じて出来形数量計算書や写真などを添付します。公共工事では、部分払の検査前に出来高に関する資料を作成し、監督職員へ提出する運用があります。
そもそも出来高払いとは
出来高払いとは、工事がすべて完成してから工事代金を一括で支払うのではなく、工事の進捗状況や完成した部分の出来高に応じて、工事代金の一部を支払う方法です。
建設工事では工期が長期にわたることも多く、施工途中でも材料費や労務費、外注費などが発生します。出来高払いを利用すれば、受注者は工事の進捗に応じて代金を受け取れるため、資金繰りの安定につなげられます。なお、具体的な支払条件や算定方法は契約によって異なります。
なぜ建設業界では出来高払いが必要なのか
建設業では、工事の完成までに数か月から数年を要する場合があり、その間も材料費や人件費、外注費、機械費などさまざまな費用が発生します。完成後の一括払いだけでは、受注者が長期間にわたって費用を立て替えることになり、資金繰りの負担が大きくなります。
そこで、工事の進捗に応じて代金の一部を支払う出来高払いを取り入れることで、受注者の資金負担を軽減しながら工事を進めやすくします。
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出来高と出来形の違い
「出来形」とは、施工が完了した部分について、その位置や形状、寸法、数量などの施工結果を指します。一方、「出来高」は、一定時点までに完成した工事を数量や金額などで評価したものです。
つまり、出来形は「どこまで・どれだけ施工できたか」という施工実績を示し、出来高はその実績をもとに工事の進捗を数量や金額として捉える考え方といえます。部分払では、出来形を確認したうえで出来高金額を算出する運用が一般的です。
出来高報告書の基本項目
出来高報告書には、工事の基本情報や工種ごとの進捗、出来高金額などを記載します。主な項目は以下のとおりです。
・基本情報
・工種別集計
・金額
・添付資料
基本情報
出来高報告書には、どの工事について、いつ時点の出来高を報告しているのかを特定できる基本情報を記載します。
主な項目は、工事名、発注者名、受注者名、工期、請負代金額、出来高報告書の作成日などです。複数回に分けて出来高請求を行う場合は、「第1回」「第2回」のように今回が何回目の請求に当たるのかも記載しておくと、過去の請求との区別や累計金額の確認がしやすくなります。
工種別集計
工種別集計では、工事を工種・種別・細別などに分け、それぞれの施工状況を数量で整理します。規格、単位、設計数量などを記載したうえで、前回までの出来高数量、今回の出来高数量、累計出来高数量を記載します。
さらに、設計数量に対してどの程度まで施工が進んでいるのかを出来高率で示します。工種ごとに整理することで、発注者と受注者の双方が工事の進捗を確認しやすくなります。
金額
金額欄では、確認した出来高数量をもとに、今回の出来高に相当する金額を整理します。一般的には、工種ごとの単価と出来高数量から出来高金額を算出し、直接工事費などの小計をまとめます。
必要に応じて諸経費相当額や消費税などを加え、今回または累計の出来高合計額を算出します。ただし、部分払額の具体的な算定方法や支払率などは契約条件によって異なるため、契約書や発注者の基準を確認することが重要です。
添付資料
出来高報告書には、記載した出来高の根拠を確認できる資料を添付することがあります。代表的な資料として、出来形数量計算書、出来形図、出来形管理図表、施工状況や完成部分を確認できる写真などがあります。
これらの資料によって、報告書に記載された数量や進捗状況が実際の施工状況と一致しているかを確認しやすくなります。必要な資料や様式は発注者や契約によって異なるため、事前に確認しましょう。
出来高請求までの流れ
出来高に基づく部分払では、施工済み部分を確認し、必要な資料や検査を経て請求します。一般的な流れを見ていきましょう。
出来形の確認
まず、受注者が現場で実際に施工が完了している範囲や数量を確認します。設計図書や工事内訳書と照らし合わせながら、施工した長さ・面積・個数などを測定・集計し、「どこまで工事が終わっているか」を把握します。
あわせて、施工箇所の写真や測定結果などを整理し、出来形を客観的に確認できる状態にしておきます。
出来高に関する資料の作成
確認した出来形をもとに、今回の部分払の対象となる出来高を整理します。工種ごとに設計数量、前回までの出来高数量、今回の出来高数量、累計数量などをまとめ、出来高金額を算出します。
また、数量や進捗の根拠を示すため、出来形数量計算書や出来形図、出来形管理図表、施工写真など、発注者が確認できる資料も準備します。
確認(既済部分検査)の請求
出来高に関する資料がそろったら、受注者から発注者へ「ここまで工事が完了しているので確認してください」と申請します。
公共工事では、既済部分確認申請書や出来高内訳書などを提出し、既済部分検査を受ける流れがあります。提出する書類や申請方法は発注者や契約によって異なるため、事前に確認が必要です。
既済部分検査
発注者側は、受注者から提出された出来高に関する資料を確認し、必要に応じて現場の施工状況と照合します。
たとえば、報告された施工数量と実際の出来形が一致しているか、写真や測定記録などの根拠があるかを確認します。検査によって施工済みと認められた部分が、部分払の対象となる出来高として確定します。
部分払の請求
既済部分検査が完了し、出来高が確認されたら、受注者は確認された出来高をもとに部分払金を請求します。
ただし、「出来高金額=実際に支払われる金額」とは限りません。 契約で定められた支払率や前回までの支払額などを踏まえて、今回請求できる金額を算出します。
支払い
発注者が部分払の請求内容を確認した後、契約で定められた条件や期限に従って受注者へ代金が支払われます。
受注者側では、今回確認された出来高や請求額、実際の支払額を記録します。複数回に分けて出来高請求を行う場合は、これらの情報を次回の「前回までの出来高」として引き継ぎます。
出来高率の算出方法とは
出来高率とは、工事全体に対して一定時点までにどの程度工事が進んでいるかを割合で示したものです。数量を基準とする場合、基本的には次のように算出できます。
出来高率(%)=累計出来高数量 ÷ 設計数量 × 100
たとえば、設計数量が100mで、70mまで施工が完了していれば、数量ベースの出来高率は70%です。
ただし、工事全体の出来高率を算出する場合は、工種ごとの単価や構成比などを考慮して金額ベースで算定する場合もあります。算定方法は工事や契約によって異なるため、発注者の基準を確認しましょう。
出来高報告書の管理に関する課題
出来高報告書を紙やExcelで管理している場合、作成から確認までにさまざまな負担が発生します。代表的な課題は以下のとおりです。
・紙での管理が中心
・転記作業に時間がかかる
・請求書の確認作業が煩雑
紙での管理が中心
出来高の根拠となる施工記録や写真、図面などを紙で管理していると、必要な情報を探すのに時間がかかります。現場と事務所で書類が分散すれば、最新版がどれなのか分からなくなることもあります。保管スペースやファイリングの手間も必要です。
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転記作業に時間がかかる
現場で記録した施工数量や進捗状況を、Excelの出来高報告書や請求関連書類へ手作業で転記していると、担当者の負担が増加します。同じ情報を複数の書類へ入力することで、入力ミスや転記漏れ、数値の不一致が発生する可能性もあります。
請求書の確認作業が煩雑
出来高請求では、請求金額だけでなく、その根拠となる施工数量や写真、図面などを確認する必要があります。資料が紙やExcel、メールなどに分散していると、必要な情報を集めて照合する作業が煩雑になり、発注者・受注者双方の確認負担が大きくなります。
出来高報告書の管理をDX化するメリット
出来高に関する情報をデジタル化して一元管理することで、報告書の作成や確認にかかる業務を効率化できます。主なメリットは以下のとおりです。
・デジタル化で管理が容易になる
・転記作業の手間がなくなる
・確認作業が効率化する

デジタル化で管理が容易になる
現場の進捗状況や写真、図面、報告書などをクラウド上で管理すれば、紙の書類を探す手間を減らせます。現場と事務所から同じ情報を確認できるため、資料の分散や最新版の取り違えを防ぎやすくなり、出来高管理に必要な情報を整理しやすくなります。
転記作業の手間がなくなる
現場で入力した情報をデジタルで共有できれば、紙の記録を事務所で再入力するといった作業を削減できます。施工記録や写真などの情報を一元管理することで、出来高報告書などを作成する際の情報収集もスムーズになり、転記ミスの防止にもつながります。
確認作業が効率化する
施工状況や写真、図面などをデジタル上で共有できれば、関係者が必要な情報へアクセスしやすくなります。出来高の根拠となる情報を確認しやすくなるため、現場担当者への問い合わせや資料のやり取りを減らし、出来高報告や請求内容の確認を効率化できます。
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出来高報告書の管理には施工管理アプリの活用が効果的
出来高報告書を効率的に管理するには、施工管理アプリの活用も有効です。施工管理アプリを使えば、現場で撮影した写真や図面、工事の進捗状況、報告書などをデジタル上で一元管理できます。
現場と事務所でリアルタイムに情報を共有できるため、出来高報告書を作成する際に必要な資料を探したり、担当者へ確認したりする手間の削減につながります。特に複数の現場を抱えている企業では、現場ごとに分散しがちな施工情報をまとめて管理することで、出来高確認から請求までの業務を効率化しやすくなります。
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出来高報告書の管理には「KANNA」がおすすめ
出来高報告書の作成・管理を効率化するには、出来高の根拠となる現場情報を日頃から整理しておくことが重要です。
アプリ評価No.1施工管理アプリ「KANNA」では、現場ごとの写真や図面、資料などをクラウド上で一元管理できます。スマートフォンやタブレットから現場情報を確認・共有できるため、現場と事務所間の情報共有をスムーズにし、出来高報告に必要な情報を探す手間の削減につながります。
紙やExcel、メールなどに分散している現場情報をまとめ、施工管理業務を効率化したい場合は、「KANNA」の活用をご検討ください。

まとめ
出来高報告書は、工事の進捗を数量や金額で整理し、出来高払い・部分払などに必要な情報を発注者へ報告するための書類です。正確な出来高を把握するには、施工数量だけでなく、出来形図や写真、測定記録などの根拠となる現場情報を適切に管理することが重要です。
一方、写真や図面、報告書などを紙やExcel、メールで個別に管理していると、資料の収集や転記、確認に手間がかかります。
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出来高報告書に関するよくある質問
出来高報告書とは何ですか?
出来高報告書とは、建設工事の進捗状況を工種や数量、金額などで整理し、一定時点までに完了した工事の出来高を発注者などへ報告するための書類です。
主に出来高に応じて工事代金の一部を請求する「出来高払い」や「部分払」の際に使用されます。工種ごとの設計数量と施工済み数量、出来高率、出来高金額などを記載し、必要に応じて出来形数量計算書や写真などを添付します。公共工事では、部分払の検査前に出来高に関する資料を作成し、監督職員へ提出する運用があります。
出来高調書の書き方は?
出来高報告書には、工事の基本情報や工種ごとの進捗、出来高金額などを記載します。主な項目は以下のとおりです。
・基本情報
・工種別集計
・金額
・添付資料

KANNA現場ノート編集部
現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするKANNA(カンナ)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。





