山積み工程表とは、プロジェクト・生産管理の現場で、作業量や人員のリソースをグラフ形式でまとめた表のことです。この表を活用することで、リソースの適切な配分や工程管理が実現でき、プロジェクトの円滑な進行やコストの最適化を図れます。
ただ、山積み工程表は、複数の工程・リソースを時系列で積み上げて管理する性質上、作成手順やポイントを事前に把握しておかないと、リソースの偏りを正確に反映できず、現場で活用されない工程表になりかねません。
本記事では、山積み工程表について、作成するメリットや効率的な作成方法も交えて解説します。
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山積み工程表とは、作業量や人員のリソースをグラフでまとめた表
山積み工程表とは、プロジェクト・生産管理において、担当者の作業量やリソース、作業負荷のバランスを視覚的に把握するための表のことです。
この表は横軸に日付・時間を取り、縦軸に作業量や人員のリソースを棒グラフ形式で積み上げて表示します。記載している内容によって、各工程に必要な人員や資材を事前に計画でき、作業量の偏り防止に役立てることが可能です。
このような特徴から、山積み工程表は大規模プロジェクトや複数の現場を並行して管理する場面で、リソース配分の最適化を図るための重要なツールとして活用されています。
山積み工程表を活用する5つのメリット
山積み工程表は、リソースの可視化によって作業負荷の偏りを防ぎ、効率的なプロジェクト運営を実現できます。このほかにも、スムーズな進捗管理ができたり、トラブルを未然に防げたりなど、さまざまな課題を解消できる点がメリットです。
これらのメリットを理解しておくと、自社のプロジェクトのスムーズな運用が可能です。
ここでは、山積み工程表を作成するメリットについて、以下5点を解説します。
山積み工程表を活用するメリット
- 作業量や人員のリソースがわかりやすい
- プロジェクトの全体像が見やすい
- 作業進捗の管理がしやすい
- 問題が生じる前に把握しやすい
- 無理のない計画が立てやすい
①作業量や人員のリソースがわかりやすい
山積み工程表は、縦軸にリソース量、横軸に時間を配置し、各期間の作業負荷を積み上げ棒グラフで表現する形式を採用しています。
このような特徴から、「どの期間に、どれくらいのリソースが必要か」を一目で把握できる点がメリットです。特定の期間に作業が集中している箇所や、リソースが不足する箇所を事前に発見でき、人員や資材の適切な再配分が可能です。
②プロジェクトの全体像が見やすい
山積み工程表は、プロジェクト全体の期間とリソース配分を1つのグラフに集約して表示する形式を採用しています。
このような特徴から、プロジェクトの開始から完了までの流れや、各工程におけるリソースの使用状況を総合的に把握できる点がメリットです。プロジェクトの規模や複雑さを視覚的に理解でき、担当者間での認識共有がスムーズになります。
③作業進捗の管理がしやすい
山積み工程表は、計画時のリソース配分と実際の進捗状況をグラフ上で並べて比較できる形式になっています。
そのため、「予定どおりにリソースが消化されているか」や、「遅延が発生していないか」を定期的にチェックできる点がメリットです。計画と実績のズレを早期に発見でき、リソースの追加配置や工程の調整といった対応が可能です。
④問題が生じる前に把握しやすい
山積み工程表では、リソースの過不足や作業負荷の偏りがグラフの高さで視覚的に表現されます。
このような性質から、実際に問題が発生する前に、負荷の偏りや人員不足などの予兆を発見できる点がメリットです。予兆を早期に把握することで、事前に対策を講じ、プロジェクト全体への影響を最小限に抑えられます。
⑤無理のない計画が立てやすい
山積み工程表は、各期間のリソース量をグラフで可視化するため、配分が適切かどうかを客観的に判断できる形式になっています。
このことから、リソースが限られている場合でも、無理のない現実的な計画を立てられる点がメリットです。現場の負担を軽減し、品質を維持しながらプロジェクトを進行できる効果が期待できます。
山積み工程表の2つの管理方法とは?
山積み工程表には、プロジェクトの性質や目的に応じた2つの管理方法があります。しかし、プロジェクトに適さない管理方法を選択してしまうと、リソース配分に偏りが生じたり、工期に無理が生じたりしかねません。
このような点から、それぞれの管理方法の特徴を理解し、プロジェクトの性質に応じて適切に使い分けることが大切です。
ここでは、山積み工程表の管理方法について、以下2点を解説します。
山積み工程表の2つの管理方法
- フォワード式(順行負荷法)
- バックワード式(逆行負荷法)
①フォワード式(順行負荷法)
フォワード式(順行負荷法)は、プロジェクトの開始時点から順に作業負荷を積み上げて計画していく方法です。開始日を基準にタスクを順番に配置するため、各工程の開始・終了タイミングを自然な流れで確認できます。
そのため、フォワード式は納期に余裕があり、作業の品質やプロセスを重視するプロジェクトに適しています。
たとえば、新規の建設プロジェクトや製品開発の初期段階など、着手日が確定している業務での活用が効果的です。
②バックワード式(逆行負荷法)
バックワード式(逆行負荷法)は、プロジェクトの納期から逆算し、作業完了日から開始日に向かってリソースを配分していく方法です。納期を起点にして逆算するため、期限に対して必要な作業量やリソースを正確に把握できます。
このことから、バックワード式は納期が厳格に定められているプロジェクトに適しています。
たとえば、竣工日が確定している建設工事や納品日が決まっている製造業務など、期限の遵守が求められる場面での管理に効果的です。
山積み工程表の簡単な作り方とは?
山積み工程表は、Excelや専用ソフト、クラウド型ツールなどの作成手段を問わず、基本となる作成手順が共通しています。
しかし、基本の作成手順を理解せずに進めてしまうと、プロジェクトに適した工程表が作成できなかったり、かえってリソースや進捗状況を把握しづらくなったりするおそれがあります。
このような点から、山積み工程表を作成する際には、基本の手順を正しく理解しておくことが大切です。
ここでは、山積み工程表の作成方法について、以下のステップで解説します。
山積み工程表の作り方
- 作業を洗い出す
- 必要工数・リソース量を算出する
- 作業期間を設定する
- リソース量を入力・集計する
- グラフを作成する
①作業を洗い出す
山積み工程表を作成する際は、リソースの配分を正確に計画する必要があるため、まずプロジェクト全体をタスク単位に分解し、必要な作業内容をリストアップします。タスクごとに「何を」「いつ」「誰が」おこなうかを明確にすることで、後のステップでスムーズにリソースの算出が可能です。
なお、作業の粒度が粗すぎると正確なリソース配分が困難になるため、プロジェクトの規模に応じた適切な細かさで分解することがポイントです。
②必要工数・リソース量を算出する
洗い出した各タスクに対して、必要な工数(作業時間や人数)や資材などのリソース量を算出します。各タスクの工数を明確にすることで、各期間に必要なリソースの総量が把握できるようになります。
そのため、過去の実績データや経験をもとに、できるだけ正確な数値を算出することが大切です。
なお、工数の見積もりが甘いと実際の作業負荷と計画が乖離してしまうため、余裕をもった算出を心がけてください。
③作業期間を設定する
リソース量を算出したあとは、管理したい単位(日・週・月など)で作業期間を設定します。横軸に期間、縦軸にリソース量を配置するための枠組みを作ることで、工程表の基盤が完成します。
そのため、プロジェクトの規模や管理の目的に応じて、適切な時間単位を選択することが大切です。
とくに、短期間のプロジェクトであれば日単位、長期間であれば週単位や月単位で設定すると、リソースの推移を把握しやすいです。
④リソース量を入力・集計する
期間の枠組みが完成したら、タスクごとに各期間へ必要なリソース量を入力します。ExcelであればSUM関数や集計機能を活用し、期間ごとのリソース合計を算出することで、時系列でのリソース推移が明確になります。
このステップによって、リソースが集中する期間や不足する期間を数値で把握することが可能です。
なお、入力ミスは工程表全体の精度に影響するため、データ入力後には確認作業をおこなうことがポイントです。
⑤グラフを作成する
入力・集計したデータをもとに、積み上げ棒グラフ(ヒストグラム)などで可視化します。グラフ化することで「山」の形が視覚的に表現され、負荷の偏りやピークが一目でわかるようになります。
そのため、グラフの形状を確認しながら、リソースの過不足がないかを検証することが大切です。
グラフ上で特定の期間に過度な「山」が発生している場合は、作業の前倒しや人員の再配分を検討し、負荷の平準化を図ってください。
【重要】山積み工程表を作成する際のポイント
山積み工程表を作成する際には、単に表を作成するだけではなく、その目的を理解し、効率的な管理と活用につなげることが大切です。たとえば、作成目的の明確化や適切なツールの選定、管理方式の使い分けなどを意識することで、工程表の精度と活用度が向上します。
このような点から、作成前にポイントを把握しておくことで、より効果的な工程管理の実現が可能です。
ここでは、山積み工程表を作成する際のポイントについて、以下3点を解説します。
山積み工程表を作成する際のポイント
- 目的を明確化・可視化する
- 適切な作成ツールを選ぶ
- 管理方式を使い分ける
①目的を明確化・可視化する
山積み工程表の目的は、時間経過にともなう人員や資材などのリソース負荷を「見える化」することにあります。目的を明確にしたうえで作成することで、特定の期間に作業が集中したり、リソースが過不足したりしている箇所を一目で把握することが可能です。
そのため、工程表を作成する前に「何のために作成するのか」や「どのリソースを管理したいのか」を定めておくことが大切です。目的が明確であれば、必要な情報の取捨選択がスムーズになり、実用性の高い工程表が作成できます。
②適切な作成ツールを選ぶ
山積み工程表には、Excelやクラウド型の専用ツールなど、いくつかの作成手段があり、プロジェクトの規模や業務内容によって適したツールが異なります。
たとえば、小規模なプロジェクトであればExcelでの作成が手軽ですが、複数の現場を同時に管理する場合には、専用ツールのほうが効率的です。
このような点から、プロジェクトの規模や管理体制に応じて、適切なツールを選択することが大切です。ツールの選定を誤ると、作成や更新に手間がかかり、工程表の運用が形骸化するおそれがあります。
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③管理方式を使い分ける
山積み工程表には、フォワード式とバックワード式の2つの管理方法があります。フォワード式は開始日を基準に計画を立てる方法であり、バックワード式は納期から逆算してリソースを配分する方法です。
このようなことから、プロジェクトの性質や納期の条件に応じて、適切な管理方式を使い分けることが大切です。管理方式の選択を誤ると、リソースの過不足やスケジュールの破綻につながるため、プロジェクトの特性を踏まえた判断が求められます。
山積み工程表を効率的に作成したいなら専用ツールの導入がおすすめ
山積み工程表をExcelで作成する場合、関数やグラフ設定に手間がかかるうえ、複数の現場やプロジェクトを同時に管理するには限界があります。また、手動での更新が前提となるため、入力ミスや更新漏れが発生しやすい点も課題です。
このような点を踏まえると、山積み工程表を効率的に作成・運用するには専用ツールの導入がおすすめです。
たとえば施工管理アプリ「KANNA」であれば、工程管理に必要な機能がそろっており、現場の進捗状況をリアルタイムで共有できます。スマートフォンやタブレットからも操作できるため、現場と事務所の情報共有がスムーズになる点も特徴です。
このようなことから、複数の現場を同時に管理する必要がある場合や、工程表の作成・更新にかかる手間を削減したい場合には、「KANNA」の活用がおすすめです。
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まとめ
本記事では、山積み工程表について、作成するメリットや効率的な作成方法も交えて解説しました。
山積み工程表は、プロジェクト管理においてリソースの偏りを可視化し、効率的な工程管理を実現するための重要なツールです。
作成にあたっては、作業の洗い出しからリソース算出、グラフの作成まで、基本の手順を正しく踏むことが大切です。
また、作成時には、目的の明確化や適切なツールの選定も欠かせません。とくに、作成・運用を効率化したい場合には、専用ツールの導入も検討してみてください。「KANNA」であれば、工程管理をはじめとする現場管理業務を効率化できます。
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よくある質問
山積み工程表とは?
山積み工程表とは、プロジェクト管理や生産管理において、作業量や人員のリソースをグラフ形式でまとめた表のことです。
山積み工程表を作成するメリットは?
山積み工程表を作成するメリットは、以下の5点です。
山積み工程表を作成するメリット
- 作業量や人員のリソースがわかりやすい
- プロジェクトの全体像が見やすい
- 作業進捗の管理がしやすい
- 問題が生じる前に把握しやすい
- 無理のない計画が立てやすい
山積み工程表を作成する際のポイントは?
山積み工程表を作成する際のポイントは、以下のとおりです。
山積み工程表を作成する際のポイント
- 目的を明確化・可視化する
- 適切な作成ツールを選ぶ
- 管理方式を使い分ける

KANNA現場ノート編集部
現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするKANNA(カンナ)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。





