【店舗開発】導入の決め手は「親子案件機能」。進捗管理表の作成・更新・メール共有の手間を軽減し、全工程を俯瞰的に把握できるように
株式会社セキ薬品
“地域密着型”をコンセプトに掲げ、2024年6月現在、埼玉県を中心とする1都4県に300店舗近いドラッグストアや調剤薬局を展開する株式会社セキ薬品。セキ薬品では店舗開発、店舗管理の業務効率化を目的に、プロジェクト管理のDXツール「KANNA」を導入しています。
店舗開発、店舗管理に関わる業務において、セキ薬品は何を課題に「KANNA」の導入を決め、どのように活用し、どんな変化を実感されているのか。店舗開発を担当する石井秀也様、店舗管理を担当する三澤伊織様のお二人にお話を伺いしました。
KANNAを導入した目的
出退店計画の進捗状況や各店舗の資料共有をデジタル化し、社内や協力会社に対する情報の見落としや認識のずれを解消したい
KANNAを導入する前の課題
(1)自社・協力会社共に情報共有する関係者が多岐にわたり、メールのCC:を用いた伝達手段では把握すべき情報に見落としが生じていた
(2)全体の進捗状況や図面データを共有しようにも更新頻度が高く、メール添付での共有ではどれが最新版なのか、即座の把握が困難だった
KANNAを導入した効果
(1)店舗開発の進捗状況は「KANNA」の案件カレンダーに、業務ごとの連絡はチャット、資料共有は各案件のフォルダに一元化し、情報更新のたびに手間なく即時共有が可能に。
(2)案件ごとに階層をつけた親子案件機能により、全体把握と必要情報の認識が向上
(3)更新図面データを各案件のフォルダにアップロード。フォルダを開くと関係者全員が常に最新版を確認でき、誤認識から生じるミスを防止
お話を伺った方
株式会社セキ薬品
(左)店舗開発部 調剤課 次長 石井秀也様
(右)店舗管理部 課長 三澤伊織様
進捗管理表をExcelで作成・更新、メール添付し関係者全員に共有する運用方法に、限界を感じていた
—— はじめに、株式会社セキ薬品の事業内容をお教えください。
石井様:創業の地である埼玉県を中心に、東京、千葉、茨城、栃木の1都4県にて、ドラッグストア事業、調剤事業を展開しております。具体的には2024年6月現在、ドラッグストア事業である「ドラッグストアセキ」は215店舗、調剤事業である「セキ薬局」は88店舗を運営しております。
三澤様:強みとしては、やはり、埼玉県を中心とするドミナント戦略でしょうか。私たちは“地域密着型のドラッグストアを目指す”ことをコンセプトに地域のお客様との絆を築くべく、さまざまなことに取り組んでいます。例えば、いつもご愛顧くださる地域のお客様に向けた、ポイントシステム。これは競合他社に先んじ、かねてから我々が注力してきたサービスのひとつです。
また、埼玉県を中心とする自治体と連携し、災害時における物資供給に関する協定を結んでいることも、地域に根ざした店舗運営を目指す我々だからこその特徴かもしれません。
—— では、どちらの事業に「KANNA」を導入され、背景にはどのような課題があったのでしょう?
石井様:私が在籍する店舗開発部、三澤が在籍する店舗管理部に「KANNA」を導入しています。どのエリアのどの地域に、どれほどの規模の店舗を新規出店するのか。その戦略を立てるのはもちろん、出店の決定後には、店舗の建設工事にまつわる調整や差配をするのも店舗開発部の業務です。
三澤様:一方、店舗管理部に関しては、開発部からバトンパスを受けるような形ですね。新規店舗が竣功したのち、主に内装の準備段階から本格的にジョインし、工事や什器を取り扱う協力会社やメーカーとのやり取りから調剤を扱うための申請管理、さらには新規店舗のオープン後も業務は続き、店舗運営に関わるメンテナンスや修繕、改装の管理も店舗管理部が担当しています。
石井様:新規店舗の建設にしても、オープン後のメンテナンスや修繕に改装にしても、我々の業務には協力会社やメーカーのお力添えが欠かせません。ただ、ご協力いただいている業者が非常に多岐にわたるため、各社とのやり取り、つまりはコミュニケーションに課題を抱えていました。
関係者とのやり取りは、これまでは基本的にメール。1案件に対しても協力会社の方々やメーカーの担当者、弊社側の業務担当や連携部署をはじめ、共有すべき情報を一度に10~20人の関係者に伝える必要があります。そのため、メールで共有する際にはすべての関係者にCC:を付けていましたが、誰かしらが見落とすこともありますよね。
また、我々の業務には図面の共有が伴いますが、図面は頻繁に更新されます。私たちから「ここを修正してください」と指示を書き込むこともあれば、現場の状況に応じ、協力会社から調整が入ることもあり、変更が生じるたびに先ほど申し上げたような方法で、各関係者にメール送付していた形です。
三澤様:そうなると、いったいどれが最新の図面データなのか、関係者全員が確実に把握するのは容易なことではありません。最新の図面を把握できていなければ、当然、施工トラブルや遅延につながりかねません。さらに情報共有の煩雑さは図面のやり取りに限らず、進捗管理も同様です。
特に新規出店や改装の際には完了までに膨大な工程を重ね、フローの進行ごとに別の関係者が次々と関わってきます。そこで、「あなたたちの業務は、いつから工期が始まりますよ」ということを把握いただくため、これまでは全体の進捗管理表をExcelで作成。作成した進捗管理表を添付して関係者全員にメールで共有していましたが、これも図面と同様に進捗の変更ごとにデータを書き換え、その都度、送信していた形です。
メールの場合、添付データを各自でダウンロードしていただく必要があるため、メールを見て終わり、にはできません。図面や進捗管理表をダウンロードし、「今の最新はこれ」「更新されたから上書き」など、各自で管理していただく必要があります。しかし、一人でもその管理に漏れがあると、現場での作業を開始する際のトラブルにつながってしまう。ただ、そこの管理は関係者各自でコントロールしていただかざるを得ず、まず、ここで頭を抱えていました。
加えて、進捗管理表の作成と更新にも苦心していましたね(苦笑)。弊社では月に2、3店の新規出店と改装案件が同時に走り、店舗管理部では、内外装や機器のメンテナンスや修繕にも対応する必要があります。これはDXツールの力を借り、業務効率化に動き出さなければまずいぞ、と。
正直なところ、これまでの運用方法では、もう限界でした。
全体を把握しながら、コミットすべき情報も明確になる親子案件機能
—— 連絡手段にメールを用いることによる情報の見逃し。また、最新データの正確な共有も課題だったわけですね。そうした課題を背景に「KANNA」を選ばれた理由は何だったのでしょうか?
石井様:「KANNA」の導入を考え始める前に、別の類似ツールを検討していた経緯があります。それは「KANNA」のようなプロジェクト管理のDXツールではなく、施工管理特化型のツール。しかし、我々が求めていたのは工事に限らず、プロジェクト全体を見据えた情報共有と進捗管理でした。そのため、仕切り直して新たに別ツールを探していたところに「KANNA」を紹介いただきましたが、まず惹かれたのがシンプルなUIでしたね。
DXツールを導入し、すぐにでも今の状況を改善したい。我々が求めていたのはスピード感です。しかし、ツールを使いこなすために説明書を読み込む必要があるようでは、求めているスピード感は叶いません。今どき、新しく購入したスマートフォンを使いこなすために説明書を読み込む人はいませんよね。スマートフォンを実際に操作しながら、説明書を見なくとも使い方を体で覚えていく。「KANNA」にも同様の手軽さと直感的な操作性を感じられたことが第一の決め手です。
我々は協力会社やメーカーとのコミュニケーションを課題としていたため、操作が複雑では先方にも申し訳ない。導入への理解が得づらくなってしまいます。しかし、例えば「KANNA」のチャット機能は、職人の皆さんも日ごろ使われている無料メッセージアプリのような感覚で操作でき、図面や写真といった資料の共有も、最新のデータをアップロードするたびに各自のスマートフォンにプッシュ通知でお知らせが表示されます。手軽かつわかりやすく、職人さんへの負担やストレスを軽減できます。
三澤様:石井も申し上げたスピード感。このスピード感に関しては、「KANNA」担当者のフレキシブルな対応が大きな後押しになりました。「KANNA」の直感的な操作性に可能性を感じられたからには、すぐにでも試したい。私は特に前のめりでしたね(笑)。私の前のめりの姿勢に対し、「KANNA」の担当者はすぐにトライアルの体制を整えてくださった。とても感謝しています。
トライアル期間とは思えないほどの案件を登録し、「KANNA」で管理することが楽しくなってしまって、「KANNA」をどう実務に活かしていけるか、自分でどんどんアイディアを出し、あらゆる可能性を試していきました。もうこれは、本格運用も同然でしょう!と言われてもおかしくないくらいに(笑)
実際の運用を見据え、複数の協力会社やメーカーを招待したうえでのトライアルでしたが、導入へと一気に傾く決め手となったのが、親子案件機能です。案件ごとに親・子・孫の3階層を作成でき、階層ごとに閲覧制限もかけられる。また、全体の進捗状況を網羅した案件カレンダーと親子案件機能をひも付けられる点も便利です。進捗に変更が生じたとしても、私が案件カンレダーを更新するだけで更新の旨がプッシュ通知され、関係者全員が最新の情報をリアルタイムに確認できます。
セキ薬品が使用する「KANNA」の画面。案件を「親」に紐づき「子」「孫」と3階層に作成し、それぞれの進捗を管理
「KANNA」はチャットや情報の更新がされると関係者に「プッシュ通知」が届く。都度、更新の連絡をしなくとも一目で状況把握が可能
先ほど申し上げましたとおり、新規出店や改装には多くの人たちが関わります。関係者全員が常に最新の情報を把握していることが重要ですが、かと言って、自分に不必要な情報まで逐一、共有されてしまっては、かえって自分が本当にコミットすべき仕事が見えづらくなってしまいます。
それが「KANNA」の案件カレンダーと親子案件機能を活用すれば、関係者全員が常に最新の進捗状況を把握できる一方、担当業務ごとの情報共有に関しては、親子案件機能によって作成した階層内のメンバーとやり取りすればいい。現状では1店舗ごとに親案件を作成し、そこに連なる業務ごとに子案件を作成。チャットでのコミュニケーションや、フォルダを用いた資料共有を活用しています。
運用ルールとKANNAの既読機能の相乗効果により、「言った。聞いていない」を解消
—— トライアルの段階から親子案件機能も活用され、「KANNA」を使いこなされていますが、新たなDXツールの導入に対し、協力会社やメーカーの反応はいかがだったのでしょう?
石井様:協力会社やメーカーの使い勝手も考えながら、直感的に操作できる「KANNA」の導入を決めたこともあり、特に否定的なお声は聞かれませんでしたね。なかには、すでに「KANNA」を導入活用されているメーカーもあり、予想していた以上にスムーズに理解を得られたと感じています。
とは言え、単に「導入します」だけでは混乱を招きかねません。トライアルの段階から自社向け、協力会社・メーカー向けのそれぞれに運用ルールをまとめた書類を作成し、皆さんに共有したんです。例えば、資料共有の際にはフォルダへのアップロードだけで終わりにせず、アップロード後には必ずチャットに「この資料を更新しました」と書き込んでください、とお願いしたり。
三澤様:もちろん、資料がアップロードされるたびにプッシュ通知がされますが、通知を見落とすこともありますよね。しかし、チャットにアップロードの旨を投稿すれば、その履歴が残ります。また、投稿されたメッセージを読んだのか、読んでいないのか、既読機能も付いているため、今後は「言った。いや、聞いていない」といった問題も解消されるはずです。
チャット機能
「KANNA」のチャット機能は、誰が既読したのか確認することができる。「見た、見てない」を回避。
いつでもどこでも情報の確認が可能になり、先々の業務予定も組みやすく
—— では、実際に「KANNA」の運用を開始され、現段階での手応えはいかがですか?
石井様:トライアルを経て、我々は2024年6月に本格運用を始めたばかり。定量的に示せるような効果は今後に期待していますが、やはり、DXツールは便利ですね。私は「KANNA」をパソコンにもスマートフォンにも、タブレットにもダウンロードしていますが、いつでもどこでも、最新の進捗状況や資料を確認でき、リアルタイムに共有できることの便利さを痛感しています。
本格運用の開始後、特に便利に感じているのが書き込み機能です。「KANNA」をタブレットにダウンロードしておけば、外出中にも図面を確認できるのはもちろん、修正指示の書き込みも可能です。指示を書き込んだ資料をすぐにアップロードできることから、私と同じタイミングに協力会社が図面の調整を行い、ふたつの更新内容がバッティングしてしまう、といった事態も防げています。
図面に修正指示を書き込み、「KANNA」にアップロードすれば、関係者全員でリアルタイムに確認が可能。管理側・現場の双方の作業がスピーティーに。
三澤様:私の立場からすると本格運用の開始後、「今度、進捗管理表の配信はいたしません。以降の進捗確認は『KANNA』から行ってください」と、ついに宣言することができました。石井の言うように定量的な効果の実感はこれからですが、この宣言ができただけでも大きな前進です。
また、「KANNA」の導入前は、石井が担当する店舗開発と私が担当する店舗管理がどのタイミングで連携するかにも、少なからず迷いがありました。新規出店の確定前から情報を共有されたとしても、私の出番はまだない。一方、新規出店の確定後、いち早く、対応に動くべき業務もあります。
弊社に限らず、新規出店の確定までには二転三転が付き物です。しかし「KANNA」を導入した今は不確定な動きに対しても、まずは案件として立ち上げればいい。案件を立ち上げるのは非常に簡単、手間になりません。ひとまず、案件として立ち上げておけば、石井から新規出店の情報を聞き出さずとも、私は「この話は、もう少ししたら来るか?」と心構えができます。前もってこの先の計画がなんとなく把握できる安心感。これも大きな変化です。
—— ありがとうございます。今後の定量的な効果についても、またぜひ、お話をお聞かせください。そして、「KANNA」も活用されながら、御社は今後、どう発展されていくのでしょう?
石井様:店舗開発にしても店舗管理にしても、これまでは個人の頑張りや力量を頼りに、業務の推進や情報管理が属人化していた面が否めません。しかし、業務に関する各関係者の動きも、最新の情報も、誰もがリアルタイムにどこにいても確認できることが「KANNA」のようなDXツールの強みです。この強みを糧に現状の業務効率化はもちろん、業務の引き継ぎも効率化し、精度も向上するはずです。
「KANNA」の導入に代表されるDXの動きは、店舗開発部や店舗管理部のみならず、今後、弊社全体が推進していくところです。弊社の社長もDXによる業務効率化には理解があり、前向きなため、まずは我々が推し進める「KANNA」の活用を成功事例に社内で横展開させていき、今後も業務の効率化を進めていきたいと考えています。
- 会社名
- 株式会社セキ薬品
- 事業内容
- ドラッグストア、調剤薬局運営
- 設立年月日
- 1984年1月
- 従業員数
- 総従業員数(2024年4月末現在) 5,351名
- ホームページ
- https://www.sekiyakuhin.co.jp/
記事掲載日:2024年07月03日