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遠隔臨場とは?建設業界で注目される理由と仕組み・メリットを解説

#お役立ち記事
2026/03/12
遠隔臨場とは?建設業界で注目される理由と仕組み・メリットを解説

建設業界では、人手不足や働き方改革への対応、建設DXの推進などを背景に「遠隔臨場」の活用が注目されています。遠隔臨場を導入することで、現場へ移動せずに施工状況を確認でき、業務効率の向上や安全性の改善が期待できます。一方で、導入コストや通信環境など、導入前に理解しておくべきポイントもあります。

この記事では、遠隔臨場の仕組みやメリット・デメリット、国土交通省の試行要領、使用するカメラの種類までわかりやすく解説します。建設現場で遠隔臨場を活用したい方はぜひ参考にしてください。

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遠隔臨場とは

遠隔臨場とは、建設現場の状況をカメラやスマートフォン、ウェアラブルカメラなどの映像機器を通じてリアルタイムに共有し、現場にいない監督者や発注者が遠隔地から確認・指示を行う仕組みです。インターネット通信を活用することで、検査や立会い、施工状況の確認などを遠隔で実施でき、移動時間の削減や業務効率化を実現します。国土交通省も活用を推進しており、建設DXの取り組みの一つとして注目されています。

関連記事:遠隔臨場システムとは?5つのメリットや注意点、選び方を解説

遠隔臨場の仕組み

遠隔臨場は、主に「映像機器」「通信環境」「クラウド・共有システム」の3つの要素で構成されています。現場作業員がスマートフォンやタブレット、ウェアラブルカメラなどを装着・操作し、施工状況をリアルタイムで撮影します。その映像や音声はインターネット回線を通じてクラウドや専用システムに送信され、遠隔地にいる監督者や発注者がPCやタブレットから確認します。遠隔側は映像を見ながら指示や確認を行うことができ、必要に応じて録画・保存も可能です。これにより、従来は現地立会いが必要だった検査や確認業務を遠隔で実施できるようになります。

参考:国土交通省「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領

建設現場で遠隔臨場が重要な理由

建設業界では、人手不足や労働環境の改善、技術継承など多くの課題を抱えています。遠隔臨場はこれらの課題を解決する手段として注目されており、国の政策とも連動しながら普及が進んでいます。ここでは以下の観点から解説します。

  • 人手不足
  • 3Kイメージ
  • 技術伝承の困難
  • i-ConstructionやPRISMの推進

人手不足

建設業界では、少子高齢化の影響により慢性的な人手不足が続いています。特に現場監督や技術者の不足は深刻で、複数の現場を担当するケースも増えています。遠隔臨場を活用することで、監督者が現場へ移動することなく施工状況を確認できるため、限られた人員でも複数現場の管理が可能になります。これにより、業務効率の向上と人材不足への対応が期待されています。

関連記事:建設現場の施工管理が人手不足の背景とは?解決策や実際の事例も

3Kイメージ

建設業界は「きつい・汚い・危険」といういわゆる3Kのイメージが強く、若年層の入職者が増えにくい課題があります。遠隔臨場を導入することで、危険な場所への立ち入りを減らしながら作業確認ができるほか、デジタル技術を活用したスマートな働き方が可能になります。こうした取り組みは労働環境の改善や業界イメージの向上につながり、人材確保にも寄与すると期待されています。

技術伝承の困難

建設業界では熟練技術者の高齢化が進んでおり、技術やノウハウの継承が大きな課題となっています。遠隔臨場を活用すれば、熟練技術者が離れた場所から若手技術者の作業を確認し、リアルタイムで指導することが可能になります。また、作業映像を記録して教育資料として活用することもできるため、効率的な人材育成や技術継承の促進につながります。

i-ConstructionやPRISMの推進

国土交通省は建設業の生産性向上を目的に「i-Construction」を推進しており、ICTやデジタル技術の活用が進められています。その取り組みの一つとして遠隔臨場の導入も推奨されており、現場の効率化や省人化の実現が期待されています。また、内閣府が推進するPRISM(官民研究開発投資拡大プログラム)でも、建設分野のデジタル化や新技術の活用が重要視されています。遠隔臨場はこうした政策と連動する形で普及が進んでおり、建設DXを実現する重要な技術として注目されています。

遠隔臨場のメリット

建設現場に遠隔臨場を取り入れることで以下のメリットが期待できます。

  • 移動にかかる時間の削減
  • 人手不足の解消
  • 安全性の向上
  • 人材育成の促進
  • コストの削減

移動にかかる時間の削減

遠隔臨場を導入することで、監督者や発注者が現場まで移動する必要がなくなります。従来は検査や立会いのたびに現場へ移動していましたが、遠隔臨場ではリアルタイム映像を通じて遠隔から確認できるため、移動時間を大幅に削減できます。その結果、空いた時間を別の業務に充てることができ、業務効率の向上や働き方改革にもつながります。

人手不足の解消

遠隔臨場は、少ない人員でも複数の現場を効率的に管理できる環境を実現します。監督者が現場へ直接行かなくても施工状況を確認できるため、一人の担当者が複数現場を遠隔で管理することが可能になります。これにより、限られた人材を有効活用でき、人手不足の課題を緩和する手段として期待されています。

安全性の向上

遠隔臨場では、危険な場所に立ち入らなくても現場の状況を確認できます。高所作業や重機が稼働している場所など、事故のリスクがある環境でも安全な場所から状況を把握できるため、現場の安全性向上につながります。また、映像を通じて複数人が同時に確認できるため、安全管理の精度向上にも寄与します。

人材育成の促進

遠隔臨場は人材育成にも活用できます。熟練技術者が遠隔から作業を確認し、若手技術者にリアルタイムでアドバイスを行うことで、現場での教育を効率的に進めることができます。また、作業映像を記録して教育資料として活用することで、実践的な学習環境を整えることが可能になり、技術習得のスピード向上にもつながります。

コストの削減

遠隔臨場を導入することで、移動に伴う交通費や時間コストを削減できます。現場訪問の回数が減ることで、業務効率が向上し、人件費の最適化にもつながります。また、複数の関係者が同時に遠隔で確認できるため、立会い日程の調整にかかる手間も減り、プロジェクト全体のコスト削減が期待できます。

遠隔臨場のデメリット

建設現場に遠隔臨場を取り入れる際には以下の観点に注意が必要です。

  • 導入コストがかかる
  • ITに不慣れな従業員への対応
  • 事前準備のハードルが高い
  • 通信環境の整備
  • 現場臨場と差異が生じる

導入コストがかかる

遠隔臨場を導入するには、カメラやスマートデバイス、通信機器、専用ソフトウェアなどの設備を整える必要があります。さらに、クラウドサービスの利用料やシステムの運用費用が発生する場合もあります。長期的には業務効率化によるコスト削減が期待できるものの、初期導入時には一定の投資が必要になる点が課題といえます。

ITに不慣れな従業員への対応

建設現場では、ITツールの利用に慣れていない作業員や技術者も多く、遠隔臨場の導入に戸惑うケースがあります。機器の操作方法やシステムの使い方を理解するまでに時間がかかる場合もあり、現場の負担になる可能性があります。そのため、導入時には操作研修やサポート体制を整え、現場がスムーズに利用できる環境を整えることが重要です

事前準備のハードルが高い

遠隔臨場を実施するには、事前に機材の準備や通信環境の確認、使用するシステムの設定などを行う必要があります。また、発注者との合意形成や運用ルールの確認も必要になるため、導入初期には準備に手間がかかる場合があります。こうした準備を適切に行うことで、遠隔臨場を円滑に運用できるようになります。

通信環境の整備

遠隔臨場ではリアルタイムで映像や音声を共有するため、安定した通信環境が不可欠です。しかし、山間部や地下工事など通信環境が不安定な現場では、映像の遅延や通信の途切れが発生する可能性があります。そのため、モバイル回線の強化や通信機器の準備など、現場に応じた通信環境の整備が重要になります。

現場臨場と差異が生じる

遠隔臨場ではカメラ映像を通じて現場を確認するため、実際に現地で確認する場合と比べて視野や細部の把握に制限が生じることがあります。カメラの角度や画質によっては状況を十分に確認できない場合もあるため、必要に応じて現地確認を併用することが重要です。適切な機材の選定や撮影方法の工夫によって、こうした差異を小さくすることができます。

国土交通省の施行要領

国土交通省は、建設現場の生産性向上を目的に遠隔臨場の活用を推進しています。遠隔臨場を実施する際には、国土交通省が示す「遠隔臨場に関する試行要領」に基づき、対象工事や映像・通信の仕様などを満たす必要があります。

対象工事

遠隔臨場は、国土交通省の「建設現場における遠隔臨場に関する試行要領」に基づき、公共工事における「段階確認」「材料確認」「立会い」などの作業を対象として実施されます。これらの確認作業を、カメラ映像と音声を用いて遠隔地から確認することで、現場臨場の代替として活用できます。

撮影に関する仕様

遠隔臨場では、現場の状況を正確に把握できるよう、一定の映像・音声品質を確保する必要があります。

映像

  • 画素数:1920×1080 以上
  • フレームレート:30fps 以上

音声

  • マイク:モノラル(1 チャンネル)以上
  • スピーカ:モノラル(1 チャンネル)以上

配信に関する仕様

遠隔臨場では、映像や音声をリアルタイムで共有できる通信環境を確保する必要があります。

映像・音声

  • 転送レート(VBR):平均 9 Mbps 以上

出典:国土交通省「建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)

遠隔臨場で使用するカメラの種類

ウェアラブルカメラ

ウェアラブルカメラは、ヘルメットや作業員の身体に装着して使用する小型カメラです。作業員の視点に近い映像をリアルタイムで共有できるため、現場の状況を臨場感のある形で確認できます。両手を使って作業しながら撮影できるため、施工確認や立会い作業にも適しており、遠隔臨場で広く活用されています。

スマートグラス

スマートグラスは、メガネ型のデバイスにカメラやディスプレイが搭載された機器です。装着した作業員の視界をそのまま映像として共有できるほか、遠隔側からの指示を画面に表示することも可能です。ハンズフリーで作業を行いながら遠隔コミュニケーションができるため、点検作業や技術指導などの場面で活用されています。

スマートフォンやタブレット端末のカメラ

スマートフォンやタブレットのカメラは、遠隔臨場で最も手軽に利用できる撮影手段です。専用機器を用意しなくても、既存の端末とオンライン会議ツールなどを活用することで遠隔臨場を実施できます。操作が比較的簡単で導入コストも抑えられるため、多くの現場で活用されています。

クラウドカメラ

クラウドカメラは、インターネットを通じて映像をクラウド上に送信し、遠隔から確認できるカメラです。固定設置して常時現場を監視できるため、施工状況の記録や進捗管理にも活用できます。複数の関係者が同時に映像を確認できる点も特徴で、遠隔臨場だけでなく現場の安全管理や防犯対策にも利用されています。

まとめ

遠隔臨場とは、カメラや通信技術を活用して建設現場の状況を遠隔から確認できる仕組みです。現場への移動時間の削減や人手不足への対応、安全性の向上など、多くのメリットが期待されています。

また、国土交通省も遠隔臨場の活用を推進しており、建設DXを進めるうえで重要な取り組みの一つとなっています。一方で、導入コストや通信環境の整備など、導入前に検討すべき課題もあります。

遠隔臨場を効果的に活用するためには、現場に適した機器やシステムを選定し、スムーズに運用できる環境を整えることが重要です。遠隔臨場の導入を検討している場合は、建設現場向けの施工管理ツールや遠隔臨場システムを活用することで、より効率的な現場管理を実現できます。自社の現場に合ったツールを比較・検討してみてください。

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KANNA現場ノート編集部

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