建設業の工程管理とは?目的や実際の手順、ポイントや工程表の種類も解説

工程管理とは建築や工事、製造などのプロジェクトにおいて、作業の手順やスケジュール、進捗状況などをまとめて管理する考え方のことです。昨今ではプロジェクトの複雑化や人手不足の影響もあり、効率的な工程管理の重要性が高まっています。
ただ、工程管理は単にスケジュールを立てるだけでは不十分であり、計画から実行、評価、改善までの一連のサイクルを理解しておく必要があります。
そのため、工程管理の仕組みを取り入れる場合には、目的や具体的な手順、活用する工程表の種類を事前に把握しておくことが大切です。
本記事では、工程管理について、目的や実際の手順、ポイントや工程表の種類もあわせて解説します。
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工程管理とは、プロジェクトの工程全般を管理する考え方
工程管理とは、建築や工事、製造などのあらゆるプロジェクトにおいて、その工程にまつわるすべてを対象として管理する考え方のことです。原価管理・品質管理・安全管理とあわせて「4大管理」の1つとして位置付けられており、建築・建設業や製造業で重要な考え方となっています。
たとえば、建築現場では、基礎工事から内装工事までの各工程のスケジュールや進捗状況、作業の順序関係などが工程管理の対象です。
このような工程管理には、プロジェクト全体を俯瞰的に把握できる特徴があります。各作業の開始時期や完了予定、作業間の依存関係を明確にすることで、計画的なプロジェクト運営が可能です。
このような工程管理を適切におこなうことで、納期遅延の防止やコスト削減、品質の安定化といった効果が期待できます。
関連記事:工程表とは?役割や行程表との違い、5つの種類とおすすめの方法も
工程管理の目的とは?
工程管理のもっとも大きな目的は、プロジェクトの成功にあります。
しかし、プロジェクトを成功に導くためには、工程管理を通じて達成すべき具体的な目的がいくつか存在します。これらの目的を理解しておくことで、工程管理の考え方をより深く把握でき、自社のプロジェクトに適した運用方法を検討しやすくなるでしょう。
ここでは、工程管理の目的について、以下3点を解説します。
工程管理の目的
- プロジェクトの見える化
- 品質管理
- 生産性の向上
【前提】プロジェクトの成功
工程管理のもっとも根本的な目的は、プロジェクトの成功です。
工程管理では、作業の手順やスケジュールを計画し、進捗状況を把握しながら必要に応じて調整をおこないます。これらの活動はすべてプロジェクトを予定どおりに完了させ、求められる成果を達成するためのものです。
このようなことから、プロジェクトの見える化や品質管理、生産性の向上といった工程管理の目的も、すべては「プロジェクトの成功」という根本目的を達成するための手段として位置付けられています。
①プロジェクトの見える化
工程管理では、各作業の進捗状況やスケジュール、作業間の関連性を工程表にまとめます。
そのため、プロジェクト全体の状況を”見える化”でき、担当者全員が同じ情報を共有できる状態を実現することが可能です。また、見える化によって、作業の遅れや問題点を早期に発見でき、迅速な対応が可能になる効果も期待できます。
②品質管理
工程管理では、各作業の手順や基準を明確にし、計画どおりに作業が進んでいるかを確認します。
そのため、作業品質の安定化につながり、製品・成果物の品質を一定水準以上に保つことが可能です。また、工程ごとに品質チェックのタイミングを設けることで、不良品の発生や手戻りを未然に防げる効果も期待できます。
③生産性の向上
工程管理では、作業の効率的な順序や適切なリソース配分を計画し、無駄な待ち時間や重複作業を削減します。
このような特徴から、限られた人員や時間のなかで最大限の成果を上げられ、生産性の向上を実現することが可能です。また、作業の優先順位が明確になることで、各担当者が効率的に業務を進められる効果も期待できます。
建設業において工程管理が重要な理由
建設業において工程管理は、工事を計画通りに進めるための中核となる管理業務です。建設現場では多くの職種や資材、重機が関わるため、工程が遅れると人員配置やコスト、後続作業に大きな影響が出ます。適切な工程管理を行うことで、工期遅延の防止、無駄なコストの削減、現場全体の生産性向上につながります。また、作業の見える化により関係者間の連携がスムーズになり、品質と安全性の確保にも寄与します。
工程管理と生産管理の違いは、管理の対象!
工程管理と混同されやすい用語として、「生産管理」があります。
この生産管理とは、製品の企画から原材料の調達・製造・出荷までの生産活動全体を管理する考え方のことです。製造業における需要予測や在庫管理、原価管理なども生産管理の対象に含まれます。
工程管理と生産管理の違いは、管理の対象範囲にあります。工程管理の対象が「作業の手順やスケジュール」に焦点を充てるのに対し、生産管理は「生産活動全体」が対象です。
このような性質から、「生産管理のなかに工程管理がある」という関係性になっており、工程管理は生産管理を構成する要素の1つとして位置付けられます。
実際に、工程管理は何をするのか?手順やポイント
工程管理の基本は、「PDCAサイクル」で進めることにあります。このPDCAサイクルとは、「Plan(計画)」・「Do(実行)」・「Check(評価)」・「Action(改善)」の4つのステップを繰り返すことで、継続的な改善を図る手法のことです。
しかし、手順を知っているだけでは効果的な工程管理は実現できません。各ステップで押さえるべきポイントを理解しておくことで、より実践的な工程管理が可能になります。
ここでは、実際に工程管理は何をするのかについて、手順やポイントを解説します。
工程管理の手順
- 工程管理の計画を立てる
- 計画に沿った作業を実施する
- 工程管理の評価をおこなう
- 課題を洗い出し、改善する
①工程管理の計画を立てる
工程管理において、計画は後続のすべての工程の基盤と考えられています。
もし、計画が不十分な場合、実行段階で手戻りが発生し、プロジェクト全体に影響を及ぼしかねません。
この点を踏まえ、最初のステップとして、作業内容の洗い出しやスケジュールの設定、担当者の割り当てなどを含む計画を立案するようにしましょう。現場の実態に即した現実的な計画を立てることで、実行段階での混乱を防げます。
②計画に沿った作業を実施する
計画を立案した後は、実際の作業を進める段階に移行します。この段階では、計画どおりに作業が進んでいるかを確認しながら、必要に応じて調整をおこなうことが求められます。
適切な工程管理をおこなうためには、計画に沿った作業を実施しつつ、進捗状況を随時記録・共有することが大切です。日次や週次での進捗確認を習慣化することで、小さな遅れが大きな問題に発展するのを防げます。
③工程管理の評価をおこなう
作業の実施後は、計画と実績を比較し、工程管理の評価をおこないます。
この評価を通じて、計画の精度や作業効率の問題点を把握できるため、次回以降の改善に活かせます。
工程管理の評価をおこなう際には、定期的に評価の機会を設け、数値データにもとづいた客観的な分析を実施することが大切です。単に「遅れた」「予定どおり」という結果だけでなく、原因を特定することで、より効果的な改善策を立案できます。
④課題を洗い出し、改善する
評価の結果をもとに、課題を洗い出して改善策を実施します。
もし、改善をおこなわなければ、同じ問題が繰り返し発生してしまい、工程管理の効果が薄れるリスクが高まってしまいかねません。
このことから、評価で判明した課題に対して具体的な改善策を立案し、次の計画に反映させることが必要です。
なお、改善のポイントは、優先順位をつけて取り組むことです。すべての課題を一度に解決しようとするのではなく、影響度の大きい課題から順に対処することで、効率的な改善活動が可能になります。
工程管理で用いられる5つの工程表
工程管理には、工程表が用いられます。
この工程表にはバーチャート工程表をはじめとして、5つの種類が存在しています。それぞれの工程表によって用途や特徴が異なるため、プロジェクトの規模や目的に応じて適切な種類を選択することが大切です。
ここでは、工程管理で用いられる5つの工程表について、解説します。
工程管理で用いられる5つの工程表
- バーチャート工程表
- ガントチャート工程表
- グラフ工程表
- 工程管理曲線
- ネットワーク工程表
①バーチャート工程表
バーチャート工程表とは、縦軸に作業内容を、横軸に作業を実施する日付を記載した表のことです。多くの現場でバーチャート工程表が採用されており、工程表のなかでも代表的な形式として知られています。
バーチャート工程表は「どの作業を、いつまでに完了させれば良いのか」を明瞭にでき、作成方法もシンプルなため、管理者側も扱いやすい点が特徴です。
このことから、全体的な作業スケジュールの可視化を優先する場合に適した工程表といえます。
関連記事:バーチャート工程表とは?メリットや注意点、作り方やポイントも
②ガントチャート工程表
ガントチャート工程表は、縦軸に作業項目を、横軸に進捗状況を記載する表のことです。バーチャート工程表と見た目が類似しているものの、横軸に記載する内容が大きく異なります。
この方式は、「どの作業が、どのくらい完了しているのか」を一目で確認できる点が特徴です。作業の遅れを早期に発見し、対策を講じる際に役立ちます。
ガントチャート工程表は、管理者が各作業の進捗状況を把握したい場合に適しています。
関連記事:ガントチャート工程表とは?バーチャート工程表との違いや作り方も
③グラフ式工程表
グラフ式工程表とは、縦軸に進捗率、横軸に日付を記載し、曲線で進捗状況を表す表のことです。
曲線の傾きや位置によって、「どの作業が、どのくらい完了しており、いつまでに終わるのか」を視覚的に把握できます。バーチャート工程表の「スケジュール管理」とガントチャート工程表の「進捗管理」の両方のメリットを得られる点が特徴です。
このような特徴から、グラフ式工程表は各工程の進捗と完了予定日を1つの表で管理したい場合におすすめの工程表です。
④工程管理曲線
工程管理曲線は、縦軸に進捗率を、横軸に日付を記載し、予定線と実績線に加えて上方・下方の補助線をあわせて記載する表のことです。
建築現場でよく用いられている方式であり、補助線によって「作業の進捗が許容範囲内にあるか」を確認できます。進捗状況に対する作業の遅れや進みを視覚的に把握できる点が特徴です。
上記を踏まえ、工程管理曲線は全体の進捗状況と許容範囲の可視化を優先する場合に採用したい方式です。
⑤ネットワーク工程表
ネットワーク工程表は、数字と矢印を用いて、作業の関連性や順序をまとめた表のことです。
この表は、「作業Aが完了すると、作業Bに着手できる」といった依存関係を明示する方式であり、ほかの工程表と比べて作業の詳細と全体像の両方を把握できます。また、各作業の所要日数を記載することで、プロジェクト全体の完了予定日も同時に確認することが可能です。
そのため、複数の作業が同時並行で進む現場や、複雑な依存関係がある場合に適した方式といえます。
関連記事:ネットワーク工程表とは?作り方や専門用語をわかりやすく解説
【おすすめ】専用ツールを活用すれば、効率よく工程管理が可能!
工程管理に必要な工程表の作成は、ExcelやGoogleスプレッドシートで簡単におこなえます。
しかし、手作業での更新や共有には限界があるため、工程管理の運用や工程表の作成を効率化できる専用ツールの活用がおすすめです。
専用ツールを活用することで、リアルタイムでの進捗共有や自動通知、複数プロジェクトの一元管理といった機能により、工程管理の負担を大幅に軽減できます。
たとえば、施工管理ツール「KANNA」であれば、工程表の作成から進捗管理、関係者への共有までをスマートフォンやタブレットで完結できます。直感的な操作性と豊富な機能を備えており、ITに不慣れな方でも導入しやすい点が特徴です。
このようなことから、工程管理の効率化を検討している場合は、「KANNA」をはじめとした専用ツールの導入を検討してみてください。
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まとめ
本記事では、工程管理について、目的や実際の手順、ポイントや工程表の種類もあわせて解説しました。
工程管理とは、建築や製造などのプロジェクトにおいて、作業の手順やスケジュール、進捗状況を包括的に管理する考え方です。プロジェクトの成功を目的とし、見える化や品質管理、生産性の向上といった効果をもたらします。
そんな工程管理の実践には、PDCAサイクルが基本となっており、計画・実行・評価・改善の各ステップでポイントをおさえて実行することが大切です。
昨今では、専用ツールも提供されているため、効率的な工程管理を実現したい場合には「KANNA」をはじめとしたサービスの導入も検討しましょう。
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よくある質問
工程管理とは?
工程管理とは、建築や工事、製造などのあらゆるプロジェクトにおいて、その工程にまつわるすべてを対象として管理する考え方のことです。原価管理・品質管理・安全管理とあわせて「4大管理」の1つとして位置付けられています。
工程管理の手順は?
工程管理は、以下の手順でおこないます。
工程管理の手順
- 工程管理の計画を立てる
- 計画に沿った作業を実施する
- 工程管理の評価をおこなう
- 課題を洗い出し、改善する
工程管理で用いられる表は?
工程管理で用いられる工程表は、以下の種類です。
工程管理で用いられる工程表
- バーチャート工程表
- ガントチャート工程表
- グラフ式工程表
- 工程管理曲線
- ネットワーク工程表

KANNA現場ノート編集部
現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするKANNA(カンナ)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。




