工事写真台帳とは?役割や必要な写真の種類、作る際のルールを解説

工事写真台帳とは、工事現場で撮影された写真を工程ごとに記録した台帳のことです。発注者・監査員への説明や事故・施工ミスが発生した際の原因特定といったさまざまな用途で利用されています。
ただ、工事写真台帳を作成する場合は、国土交通省が定めた「写真管理基準」にもとづいて作成しなければなりません。もし、基準に沿っていない写真台帳を提出した場合、検査で受理されなかったり、再提出を求められたりするリスクもあります。
本記事では、工事写真台帳について、役割や必要な写真の種類、作る際のルールを交えて解説します。
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【基本】工事写真台帳とは、現場の撮影写真をまとめた台帳のこと
工事写真台帳とは、工事現場で撮影された施工写真を時系列や工程ごとに整理・記録した台帳のことです。
この台帳は着工前から完成後までの過程を写真としてまとめているため、工事内容を視覚的に確認できる資料として活用されています。
とくに、公共工事では、国土交通省が定めたルールにもとづいて、写真の撮影や情報の記載をおこなわなければなりません。こうしたルールに沿って作成された工事写真台帳は、施工品質の証明や検査対応において欠かせない書類となります。
このような性質から、工事写真台帳は建設業の現場において、施工管理の基盤となる重要な資料として位置づけられています。
工事写真台帳の3つの役割
工事写真台帳は、施工中の記録だけでなく、工事完了後にも必要となる大切な書類です。このほかにも、検査対応や社内での情報共有など、さまざまな場面で活用されています。
これらの役割は工事写真台帳の作成や管理のうえで、理解しておくべき大切な要素です。
ここでは、工事写真台帳の役割について、以下の3点を解説します。
工事写真台帳の役割
- 工事内容を証明する
- 発注者・監査員へ説明ができる
- 社内で共有できる
①工事内容を証明する
工事写真台帳は、第三者が確認した際に、施工内容を客観的に証明する資料として活用されます。「いつ、どこで、何を、どのように施工したか」を写真で記録することで、完成後に見えなくなる部分の施工状況も確認することが可能です。
工事後にトラブルが発生した場合や施工不良の疑いが生じた場合に、工事写真台帳を確認することで「適切な施工がおこなわれていたか」を確認できます。
②発注者・監査員へ説明ができる
工事写真台帳は着工前から施工中、完成後までの流れを時系列で整理しなければなりません。
このような性質から、この台帳を用いれば施工内容を視覚的に確認でき、口頭説明では伝わりにくい工程や施工状況も客観的に把握しやすくなります。また、わかりやすい工事写真台帳を作成できれば、発注者や監査員からの信頼性向上にもつながります。
③社内で共有できる
工事写真台帳は、過去の施工内容や工程が写真で記録されています。
そのため、担当者の変更時における社内の引き継ぎ資料としても活用することが可能です。加えて、過去工事の事例を共有する資料として利用すれば、施工手順や注意点の理解が進み、技術の継承や品質管理にも役立ちます。
工事写真台帳に必要な写真の種類とは?
工事写真台帳に載せる写真は、国土交通省の定めるルールにもとづいて用意する必要があります。
しかし、撮影すべき写真に抜け漏れがあると、検査で不備を指摘されたり、工事内容の証明が困難になったりと、工事現場の健全な運営を妨げる要因になりかねません。
このような点から、工事写真台帳を作成する前に、どのような写真を撮影する必要があるのかを把握しておくことが大切です。
ここでは、工事写真台帳に撮影しなければいけない写真の種類について、以下の8点を解説します。
工事写真台帳に必要な写真の種類
- 着工前・完成写真
- 施工状況写真
- 安全管理写真
- 使用材料写真
- 品質管理写真
- 出来形管理写真
- 災害・事故写真
- その他(公害、環境、補償など)
関連記事:工事写真で撮るべき項目一覧と撮影ルール!撮影時のコツも解説
①着工前・完成写真
着工前・完成写真は、工事開始前と完了後の現場の状態を記録するための写真です。具体的には、着工前には既存の構造物や地形の状態を、完成後には施工後の仕上がりや最終形状を撮影しなければなりません。
このような着工前・完成写真は、発注者への説明や今後の施工計画を検討する際の参考資料として利用されます。
②施工状況写真
施工状況写真は、工事の各工程がどのような手順で進められたかを記録するための写真です。
基礎工事や配管工事など、完成後には確認できない作業内容を残しておくことで、施工の過程を客観的に把握できます。適切な施工がおこなわれたことを示す根拠資料として活用でき、万が一のトラブルや検査対応の際にも、状況を説明しやすくなります。
③安全管理写真
安全管理写真は、現場で実施している安全対策の状況を記録するための写真です。具体的には、足場の設置状況や保護具の着用、立入禁止区域の表示、安全掲示物などを撮影するケースが一般的です。
そんな安全管理写真は、作業員の安全確保や法令の遵守を確認する資料として使用されます。日々の安全対策を可視化することで、現場全体の安全意識向上にもつながります。
④使用材料写真
使用材料写真は、工事で使用する材料の種類や規格を記録するための写真です。撮影時は、材料の品番やメーカー名などを読み取れるように記録することが基本です。
そんな使用材料写真は「仕様書どおりの資材が使われているか」を確認するための記録として使われています。こうした写真を残すことで、施工品質の裏付け資料となり、発注者への説明や検査対応にも役立ちます。
⑤品質管理写真
品質管理写真は、施工品質が基準を満たしているかを記録するための写真です。具体的には、コンクリートの打設状況や養生状況など、建築物の品質に影響する工程を中心に撮影します。
こうした写真を整理しておけば、検査対応や施工記録の確認がスムーズになり、工事全体の品質管理にも役立つでしょう。
⑥出来形管理写真
出来形管理写真は、施工された構造物の寸法や形状が設計図面どおりであるかを記録するための写真です。スケールやメジャーをあてて撮影し、数値が確認できる状態で写真を残すことで、寸法の正確性を証明できます。
とくに、完成後には確認が難しくなる部分については、施工中の段階で計測状況を丁寧に撮影しておくことで、工事現場の信頼性を高められます。
⑦災害・事故写真
災害・事故写真は、工事中に発生した災害や事故の状況を記録するための写真です。事故原因の調査や再発防止策の検討に活用されるため、発生直後の現場の状態を正確に残す必要があります。
こうした写真を残しておくことで、事故原因を客観的に分析しやすくなり、今後の安全対策や現場管理の改善にもつなげやすくなるでしょう。
⑧その他(公害、環境、補償など)
その他の写真は、騒音・振動対策や環境保全対策など、工事が周辺環境へ与える影響に対して、適切な配慮がおこなわれていることを記録するためのものです。具体的には、防音シートの設置状況や散水による粉塵対策など、環境への影響を抑える取組みを撮影します。
このような写真を残すことで、地域住民や環境へ配慮している取組みとして、依頼主へ説明・報告しやすくなります。
工事写真台帳を作る際のルール
工事写真台帳を作る際は、国土交通省が定めるルールに沿って整理することが求められます。
しかし、ルールを十分に理解しないまま作成を進めてしまうと、検査で不備を指摘され、写真の撮り直しや台帳の作り直しで手間を増やしかねません。
このような事態を防ぐために、撮影方法や編集に関するルールを事前に確認しておくようにしましょう。
ここでは、工事写真台帳を作る際のルールについて、以下の3点を解説します。
工事写真台帳を作る際のルール
- 写真の改ざん・編集は禁止
- カラー写真で画素数は100万画素以上での撮影が必須
- 工事内容を記載した小黒板とともに撮影
①写真の改ざん・編集は禁止
工事写真台帳に使用する写真は、施工内容を客観的に証明するための記録資料であり、信頼性の確保が求められます。
このようなことから、撮影後の写真に対するトリミングや明るさの調整、合成などの編集・改ざんは禁止されています。
そのため、撮影段階で適切な明るさやアングルを確保し、編集を前提としない撮影を心がけることが重要です。
②カラー写真で画素数は100万画素以上での撮影が必須
工事写真は、カラー写真、かつ100万画素以上の画質で撮影する必要があります。これは、白黒写真や低画質の写真では、施工状況や材料の詳細が判別しづらくなるためです。
現在のスマートフォンやデジタルカメラであれば条件を満たせるものの、万が一のことを考え、撮影前にカメラの設定を確認しておくことが重要です。
③工事内容を記載した小黒板とともに撮影
工事写真は、工事名や工種、撮影日時や撮影箇所などを記載した小黒板と一緒に撮影する必要があります。小黒板を写すことで、写真と施工内容の対応関係を明確にすることが可能です。
なお、近年では電子小黒板の使用も認められており、専用アプリを活用すれば撮影と情報入力を同時におこなえるため、作業効率の向上にもつながります。
工事写真台帳の作り方
工事写真台帳の作成方法は、大きくわけて「専用ツールを活用する方法」と「Excelで作成する方法」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の規模や予算に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここでは、工事写真台帳を作る方法について、以下の2点を解説します。
工事写真台帳の作り方
- 専用ツールを活用する
- Excelで作成する
関連記事:工事写真台帳の作り方とは?基本の記載内容から作成手順・注意点まで
①専用ツールを活用する
昨今では、工事写真の撮影や整理、台帳出力までを一括で管理できる専用のツールが提供されています。このツールを活用すれば、アナログでおこなう作業に比べて、写真の分類や整理にかかる作業負担を軽減しやすくなります。
他方、サービスによっては利用料金が発生するほか、操作に慣れるまで一定の時間が必要になる点には注意が必要です。
このような点を踏まえると、専用ツールは撮影枚数が多い現場や、なるべく担当者の負担を軽減したい事業者におすすめです。
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②Excelで作成する
Excelとは、レイアウト設定や画像貼り付けなどが自由におこなえる表計算ソフトです。多くの企業で導入されているため、追加のコストをかけずに工事写真台帳を作成できます。
一方で、写真の貼り付けや入力を手作業でおこなう必要があるため、撮影枚数が多い現場では作業の負担が増えるおそれがあります。
このような特徴から、Excelは撮影枚数が少ない現場や初期コストを抑えたい場合に適した方法といえるでしょう。
関連記事:工事写真台帳はエクセルで作れる?作成手順や作る際のポイントも
工事写真台帳を作るなら「KANNA」がおすすめ!
昨今では、工事写真台帳を作成・管理できるさまざまな専用ツールが提供されています。
ただ、これらのツールはそれぞれで利用できるサービスや機能、サポート体制や料金が大きく異なります。
このような点を踏まえると、施工管理ツール「KANNA」がもっともおすすめです。
このKANNAは、現場で撮影した写真をその場で台帳化し、クラウド上で共有が可能です。また、工程表の管理やチャット機能、カレンダーなど、施工管理に必要な機能を1つのツールに集約しており、現場の情報を一元管理できます。
加えて、KANNAは初期費用無料で導入できるため、試験的な導入も可能です。
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まとめ
本記事では、工事写真台帳について、役割や必要な写真の種類、作る際のルールを交えて解説しました。
工事写真台帳は、施工内容を証明し、発注者への説明や社内共有に活用できる重要な書類です。国土交通省が定める基準を踏まえ、着工前・施工中・完成後の各工程で必要な写真を撮影し、適切に整理することが求められます。
作成方法にはExcelでの自作と専用ツールの活用がありますが、撮影枚数が多い現場や複数人で管理する場合は、撮影から台帳作成までを効率化できる「KANNA」のような専用ツールの導入も有効な選択肢となるでしょう。
自社の運用に合った方法を選び、日々の施工管理に活用してみてください。
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よくある質問
工事写真台帳とは?
工事写真台帳とは、工事現場で撮影した施工写真を工程ごと・目的ごとに整理してまとめた資料です。施工の進捗や品質、安全対策などを記録することで、発注者や監査員への報告資料、社内共有、検査時の証拠として活用されます。
工事写真台帳の種類は?
工事写真台帳には、以下のような目的別の種類があります。
工事写真台帳の種類
- 着工前および完成写真
- 施工状況写真
- 安全管理写真
- 使用材料写真
- 品質管理写真
- 出来形管理写真
関連記事:工事写真で撮るべき項目一覧と撮影ルール!撮影時のコツも解説
工事写真台帳の作り方は?
工事写真の、一般的な作り方は以下の通りです。
工事写真の作り方
- 撮影計画を立てる(どこで何を撮るか明確にする)
- 写真を撮影する(小黒板と一緒に/JPEG形式で)
- Excelや専用ツールで台帳を作成する
- 工事情報・説明文を入力する
- 提出用に印刷やPDF化して保存する

KANNA現場ノート編集部
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