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【セミナーレポート】デジタル化だけでは解決しない、建設業界の構造的課題と「情報ハブ」による解決策

#お役立ち情報
2026/01/23
【セミナーレポート��】デジタル化だけでは解決しない、建設業界の構造的課題と「情報ハブ」による解決策

建設業界では、多くの企業がデジタルツールを導入し、業務効率化を進めています。しかし、部署ごと、協力会社ごとに異なるツールを使うことで、かえって情報が分断され、プロジェクト全体の連携が滞るという新たな課題が生まれています。建設DXの真のボトルネックは、「デジタル化の遅れ」ではなく「情報の分断」です。

業界の構造的な課題を解き明かし、組織を越えて働く人々をつなぐ「情報のハブ」として機能する「KANNA」が、いかにしてスムーズなプロジェクト進行を実現するのか。

今回は、2026年1月14日に実施されたオンラインセミナー「“デジタル化の遅れが建設DXのボトルネック”は間違い! 組織を越えて働く人をつなぐ「KANNA」が実現するスムーズな建築プロジェクト」の内容をレポートします。

登壇者プロフィール

川島和弘 (Takahiro Kawashima)
ジャパンビジネス本部エンタープライズ部部長セールスエヴァンジェリスト

新卒でサイゼリヤ、株式会社TMJを経て2016年アマゾンジャパン合同会社へ。出品サービス事業部にて主に家電量販店を担当し、2年連続トップセールスを記録。FBA物流新事業立ち上げを経験後、2019年に直販事業部 (リテール) へ移籍。PC事業部にてプリンター・モニター・ノートパソコンのバイヤーを担当。物流事業立ち上げに際し、2020年SCM幹線事業部 (物流事業) へ。事業企画・運用を担当し、新事業を1年間で黒字転換させる。10年間活動したEC領域からホリゾンタル領域でのビジネス課題解決を目指し、2025年より株式会社アルダグラムにてKANNAの拡販に注力。

なぜ建設プロジェクトは複雑化するのか?構造的な課題を読み解く

磯谷(モデレーター)

まずは背景として、建築プロジェクトを取り巻く構造的な課題についてご紹介お願いします。

川島

まず投資額に関して、土木建築業界においては、しっかりと投資はされている状況です。2020年の東京オリンピックの際に大きな山があり、そこを乗り越えて堅調に推移しています。

磯谷

内訳を見ると、赤枠で囲っているリフォームを含めた補修と、公共の部分が盛り上がっているかと思います。こちらはどのように見ていますか?

川島

まず、オリンピックが始まる2021年までは土木分野が大きく伸びており、建築よりも成長率は高いです。オリンピックが終わった後(2022年以降)、土木分野は一段落し、成長というより元の水準である15兆円規模を維持している状況です。

一方で、年々継続的に成長しているのは建築補修、特に民間のリフォーム分野です。
新築が次々と建つ以上に、築年数の古い建物の補修に業界のニーズがあると見ています。

この労働人口が増えている理由は、我々の定年が延長されていることが要因と考えています。なぜなら少子化が進み、今年の出生数はついに60万人台となり、国として非常に危機的な状況だからです。

しかし、この労働人口の数字は逆を示しています。すなわち、定年が65歳、70歳へと延長され、建築現場に目を向けると職人の高齢化が非常に進んでいる状況です。

その中で、建築業に注目したのがこちらの線グラフ。急激に落ち込んでいます。

先ほど申し上げた通り、オリンピック後も投資額は伸びているにもかかわらず、労働人口は減っている。

これは、深刻な人手不足が発生していることを意味します。

磯谷

では、ここから業界構造について触れていきます。
ピラミッドのような三角形のスライドが出てきましたが、こちらはどのような内容でしょうか?

川島

建設業界は、複雑な多重下請構造が確立されています。元請発注元を頂点として、現場で施工を行う関係者が多層的に連なる、非常に特徴的な構造です。

磯谷

今度は三角形の次に円形のスライドが出てきましたが、こちらはどのような内容ですか?

川島

建設業にかかわらず、例えば物流業務においても、自社だけで完結せず、他社を含めた様々な方が関わる業界です。社内にも営業、施工、経理といった部署があり、さらに無数の協力会社があります。

磯谷

次のスライドでは、また少し違った視点に注目していますね、立場やKPIといった言葉が出てきました。

川島

プロジェクトに関わる立場によって、追いかけている目標が全く異なります。

デザインから始まり、施工、納品に至るまで、さらに上流の、営業が案件を獲得するところまで含めて一つのプロジェクトと捉えると、本当に様々な立場の方が、それぞれの目標を追いかけている構造だと言えます。

磯谷

多くの人が広範囲の業務を担っていることは分かりましたが、日々の中で具体的にどのような問題や大変な点があるのでしょうか?

川島

我々が最も解決したいと考えているのが、コミュニケーションの問題です。

プロジェクトでは、設計担当は専門ツールを、営業担当は営業用ツールを使っていると思いますが、関わる人が増えた瞬間にコミュニケーションが非常に煩雑になります。

これにより、納期の遅れや物品の未着といったトラブルが発生しやすくなるのが大きな問題です。

お金を生む時間を「稼働時間」、生まない時間を「非稼働時間」とすると、現状のコミュニケーションは非稼働の最たるものになってしまっている。これが大きな問題だと考えています。

「建設業を取り巻く環境」をまとめたスライド

建設DXの“いま”と、ツール導入が逆に生む“分断”

磯谷

「DXってなんでしょうか」というスライドが出てきました。これは難しい問いですね。ツールの導入やペーパーレス化もその一環だと思いますが、本日ご参加の皆様はどのようにお考えでしょうか。

川島

建築業に限らず、最近ではAIに聞いてもDXについて様々な答えが返ってきますが、私はこの3つのステップをDX、いわゆるDXの一般的な定義です。

最終地点となるステップ3、つまりビジネスの変革をもたらすことが、DXの実現された状態だと考えます。

そして、DXを実現するために不可欠なのが「データ」です。

  • まず、ペーパーレス化のような土台作り
  • 次に、ステップ1で得られたデータをどう活用するかを考える
  • 最後に、そこから得た気づき(インサイト)を基に新しいビジネスを創出できる状態にすること

以上が、最終的なDXの実現だと考えています。

磯谷

2025年現在は、ステップ1.5くらいのフェーズにあるという感覚ですが、いかがでしょうか?

川島

そうですね。こちらのスライドは、国土交通省や経済産業省がこの点をまとめており、まさに1.5というフェーズは正しいと私も考えています。

まず、国土交通省が進める「i-Construction」においては、2040年度までに建設現場の省人化を3割、すなわち生産性を1.5倍に向上させる、という目標が掲げられています。

まさに、生産性向上しましょうという話が出ています。

一方、経済産業省のDXレポートも非常に興味深い内容です。

目次には「デジタル産業への変革に向けた具体的な方向性やアクションを提示」とあり、特に私が良いと感じたのは「デジタルを省力化効率化ではなく収益向上にこそ活用すべきである」という一文です。

国土交通省と経済産業省では見ている点が異なり、それぞれの特色が出ていると感じます。

磯谷

では、DXのステップをご紹介した上で、改めて問いかけたいと思います。
皆様の会社では、DXは進んでいますか?

川島

多くのステークホルダーがいる中で、それぞれが自身の業務に最適化されたツールを導入しています。勤怠管理、経理の受発注、施工管理などは一見すると別々の業務に見えるため、それぞれが独自の判断でツールを選んでいます。

特に建設会社では職長の権限が強く、同じ施工管理でも職長ごとに使うツールが違うといった状況も生まれます。

このため、「DXをやっていますか?」という問いを「ツールを入れていますか?」に置き換えると、皆さん「やってます」という回答になるでしょう。

しかし、会社全体として最適化されているかというと、果たしてどうでしょうか。

これが、本日の課題提起です。

磯谷

今ご説明いただいた内容が、本日のテーマである「“ステークホルダー間の断絶”」に繋がっているのですね。

川島

個別の最適化が進み、各ステークホルダーが使いやすいサービスを導入して、デジタル化を進めています。デジタルに不慣れな職人さんも多い中で、こうした取り組み自体は素晴らしいことです。

しかし、デジタル化が一定進んだからこそ「ここはDXされてるけど、こっちはされてない」といった新たな課題が生まれています。

社内で連携しようとしても、その必要性が認識されていなかったり「なぜツールが別々なのか?」という問題に直面する。これが今回のテーマの一つです。

磯谷

ここからは具体的な事例についてですが、実際、現場ではどのようなことが起きているのでしょうか。

川島

これは上流工程から下流工程へ情報が流れる際に、よく起こる話です。
中間の部署の方々が電話などで細かく調整されているかと思いますが、例えば設計の一部変更が現場に正確に伝わらない、というケースがあります。

「オンラインフォルダに資料を格納したから見ておいてほしいと考える側」と、「その情報が伝わらずに作業を進めてしまう側」との間に分断が生じます。

お互いにデジタルツールを導入していても、情報連携の部分の仕組みや、それに適切なサービスを導入してないと、こうした事態が起きてしまうという一例です。

続いては「情報の分散・拡散」についてですが、それ以上にまず、現場の安全が第一です。つまり安全管理に関する情報が非常に重要ということです。これは紙の管理によって発生する事例です。

安全管理やKY(危険予知)活動の資料は紙で管理されるのが一般的ですが、「KANNAレポート」のようなペーパーレス化ツールでデジタル化も推進することができます。

しかし、記載の有無はもちろん、本当に伝えたい「立入禁止」といった情報が、紙が濡れていたり破れていたりして伝わらないと、重大な事故に繋がりかねません。

職人の安全を確保する仕組みが重要であり、それが不十分なためにリスクが発生する恐れがあります。

“分断”を乗り越えるアプローチは「情報のハブ」を作ること

磯谷

では、ここから「結局どうすればいいのか」という点について伺っていきたいと思います。

川島

「データを集約せよ」というと少し大げさですが、情報が必ず通るハブを作ることが重要です。

ここでの「情報」とは、資料や図面といった形あるものだけでなく、電話やメール、チャットといったコミュニケーションも全て含みます。

これらを一つの場所を経由させることでコミュニケーションロスを減らし、「言った・言わない」といった問題をなくし、プロジェクト進行の可視化を妨げる要因を取り除くことが鍵です。

データを1箇所に集めるために例えばオンラインフォルダに保存するということは、多くの方が実践されているでしょう。しかし、「あの図面はどこにあるか」「誰が管理しているか」といった問題や、担当者の不在・異動・退職によって情報が属人化し、分かる人がいなくなるという事態は、非常にもったいないです。

オンライン上にデータはあっても、コミュニケーションの履歴がない

そこで、ツールを問わずプロジェクト単位で管理できる仕組みが必要だと考えます。

データを集約しても、「ここに全部入っているから探して」というやりとりが発生しがちですが、「探す」という行為がもったいないです。

ここで重要なのが、業態ごとに業務フローが違うという点。

営業部、経理部、施工管理部では、同じプロジェクトでも見え方が全く異なります。これらの業務フローを一つに統一するのは不可能であり、その必要もないと考えています。

フローが違っても同じプラットフォームの中で管理できる仕組みがあれば良いのではないでしょうか。

各社・各部署でやり方を変える必要はありません。ただ、プロジェクトに関わる情報(コミュニケーションを含む)を1箇所に集約し、通り道を1本化することをおすすめします

導入事例から見る「情報のハブ」がもたらす効果

磯谷

では次に、うまく活用されている事例も交えてご紹介していきましょう。

川島

実際にKANNAをご活用いただいている、ある大手建築関連会社の事例をご紹介します。お問合せをいただいたきっかけはペーパーレス化の推進で、先ほどのDXのステップで言うと「ステップ1」を早急に実現したいというご要望でした。

導入の決め手は、情報の集約と一元管理でした。

特にこの企業様は、「安全管理帳票をすべて紙からデジタルに変えたい」という強い意志を持ってプロジェクトを進めていました。

そこで、従来使っているExcelを、そのまま数十秒でアプリ化できるサービス「KANNAレポート」が役立ちました。

活用後は、導入前の課題であった「管理者が多くの現場を回って紙を回収し、ファイリングして報告する」という大変な手間が解消されました。

今ではスマホで報告が次々と上がってくるのを確認するだけで、スムーズに記録が完了します。また、紙代や印刷代といったコストも一気に削減できるということで、ご導入いただきました。

情報をハブで共通化すること、そのために従来のやり方を変える必要はないという点も重要ですが、我々のサービス導入にあたっては、ご導入いただく方々の姿勢が何よりも大切です。

その中でも一番重要なのは、会社全体として強い意思決定、つまり「やるぞ」と決めていただくこと。

次に、現場を熟知したワーキンググループの存在。

DXの阻害要因として「DX人材がいない」という話をよく聞きますが、私はデジタル得意である必要は全くないと思ってます。

最低限の知見は必要ですが、それは我々のようなベンダーをうまく活用して情報収集をしていただきながら、その企業様にしかできないこと、それが3点目に大切なこと。
それは、現場を熟知しているということです。

組織を越えて働く人をつなぐ「KANNA」

磯谷

では、最後のパートに移ります。ここまで様々な課題提起や現状把握を行ってきましたが、KANNAがどのようにサポートしていくのかをご紹介します。

川島

我々は現場DXサービス「KANNA」を提供しています。

一言でいうならば、どんな業態の皆様でも使えるように設計された業務アプリケーションプラットフォームです。

コミュニケーションも含めた情報のハブとなります。

職種を問わず、現場のやり方を変えずに情報を一元的に連携したいお客様にとって、最も優れたプラットフォームであると自負しております。

今日のテーマであるステークホルダー間の断絶を解消し、どんな業態でも使える理由は、大きく3つあります。

  1. カスタマイズ性:表示される項目のほぼ全てを、ノーコードで簡単にカスタマイズでき、現在の業務フローをそのままデジタル上で再現できます。
  2. プロジェクトの分割管理:協力会社を招待する際、権限管理は非常に重要ですが、見せるべきでない情報へのアクセスを制限する分割管理も簡単に行えます。
  3. 豊富なテンプレート:業務フローの数だけテンプレートを活用できる構造になっています。

まず、我々は協力会社様にも積極的に活用していただきたいため、ゲストIDの発行を無制限、無料でご提供しています
これにより、自社社員のID数だけで予算を確定でき、導入のハードルが下がります。

2つ目は、圧倒的に使いやすい点です。従来のツールは管理者視点のものが多い中、我々の強みは現場の職人さんにとって非常に使いやすいことです。

そして最後の3つ目は、簡単に導入できます。すぐに設定して使い始められる手軽さ、これがKANNAが選ばれる理由です。

まとめ

「デジタル化が進んでいるのに、なぜか業務が楽にならない」と感じている企業も少なくありません。その根本原因が「ツールの不足」ではなく「情報の分断」にあります。

そして、その解決策として、業務フローを無理に変えることなく、関係者全員がスムーズに連携できる「情報のハブ」を構築することが重要です。

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひKANNAにお問い合わせください!

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現場DXコラム編集部

現場DXコラム編集部

現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするKANNA(カンナ)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。

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