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加工製品の品質管理に「KANNAレポート」を採用。事務担当者の業務時間は月約50時間削減し、自動計算により職人の検品入力精度も向上

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朝日銘木株式会社

木質内装建材の総合メーカーである朝日ウッドテックの関連会社として、突き板や挽き板の製造販売をする朝日銘木株式会社。意匠的価値の高いものづくりを続ける朝日銘木では、品質管理の帳票作成・管理のデジタル化を目的に「KANNAレポート」を導入しました。
 
グループの母体が育んできた長い歴史と実績を守り、さらに磨き続ける朝日銘木が業務効率化のためのDXツールとして「KANNAレポート」を選んだ理由はどこにあり、導入の結果、どのような効果を実感されているのか。突き板製造工場の指揮を執り、「KANNAレポート」導入の舵取りをされた橋野仁様、三上彰憲様、さらにはバックオフィス業務に従事される山口明日香様、西本佳那様にもお話を伺いました。

KANNAを導入した目的

品質管理の日報を手書きからデジタル化し、現場と事務双方の負担を軽減したい

KANNAを導入する前の課題

(1)現場が手書き入力・集計した内容を事務担当がExcelに転記し、ダブルチェックする運用は双方の負担が大きく、本来の業務に集中できない

(2)手書きの品質管理日報はデータの取りまとめに時間がかかり、品質向上のためのデータ分析および活用ができない

KANNAを導入した効果

(1)  紙の品質管理日報切削品質日報を「KANNAレポート」に移行。現場は、パソコンから打ち込んだ品質数値が自動計算され、計算機を使って集計する必要がなくなり計算ミスも回避

(2)  入力した情報は即時に事務方と一元共有されるため、転記作業が不要、結果事務担当のパソコン入力作業時間が月間約50時間減

(3)  現場から品質管理担当へとダイレクトかつ迅速なデータ共有が可能に。また、品質管理状況をデジタル化したことで、一層の品質向上にむけたデータ活用の活発化にも寄与

お話を伺った方

朝日銘木株式会社
朝日銘木製造部
統括部長 兼 突板工場長 橋野 仁様(左)
 
朝日銘木製造部 突板工場
製造二課 課長 三上彰憲様(右)

人の感覚を重んじるがゆえにDX化に遅れを取っていた製造工場が業務効率化にチャレンジ


—— はじめに、朝日銘木株式会社の事業内容をお教えください。
 
橋野様:私たち朝日銘木は、主に内装建材用の天然木化粧材を製造し、親会社である朝日ウッドテック株式会社への販売を行っています。当社が求めるスペックに適う調達をするため、確かな鑑識眼を持つ従業員が実際に世界各地へと足を運び、多くの木を吟味・選木。調達した木が持つ素材としての魅力・良さを引き出し、意匠的な価値の高い化粧材へと加工するわけですが、これは他社には、なかなか真似できることではありません。


確かなスペックの木を吟味・選木し、意匠的価値の高いものづくりをする。この当社の姿勢は、親会社の朝日ウッドテックから受け継いだDNAです。親会社の朝日ウッドテックには、1913年に銘木商として歩み始めてから110年以上の歴史があります。1952年に銘木商からメーカーへと転換を図りましたが、その際の共同創業者である海堀寅造は “日本一のスギの目利き” と呼ばれた人物です。そうである以上、私たちも創業者が築いた強みを守り、磨かなくてはなりません。


—— では、どちらの業務に「KANNAレポート」を導入され、導入の背景にはどのような課題があったのでしょうか?
 
橋野様:突き板と呼ばれる天然木を数ミリほどのシート状にスライスする加工工程の中で、スライス状の木材の品質状況を都度、切削品質日報に記入する作業があるのですが、その検品業務において「KANNAレポート」を導入しています。当社の強みである鑑識眼を持つのは、言うまでもなく人。木の魅力や良さを見極め、引き出すには、研ぎ澄まされた人の感覚が不可欠です。


しかし、この人の感覚を重んじるという強みが、かえってネックになっていました。朝日ウッドテックグループ内の各事業所がDXや間接業務の効率化を推し進めるなか、当社だけが遅れを取っていたのです。「KANNAレポート」導入前の記入方法は、出力した紙に職人が不良品の数を手書き記入し、電卓を使って各項目の集計をしていました。現場担当者が “人の目” で検品をし、切削品質日報にロットごとの切削数と不良品数を手書きで記入。シートには30以上のチェック項目があるため、最後に全体の数を集計し、集計結果を書き込んだシートを事務担当に回し、事務担当者がシートに手書きされた内容をExcelに転記。そして、転記内容に誤りがないかの確認を経た後にようやく、切削品質日報に記載された検品結果が品質管理者のもとへと届くような状態。それを全7台のスライサーを稼働させ、それぞれで切削品質日報を手書き入力していました。

木材を数ミリ単位でスライスするスライサー(切削機)、1枚づつ手作業で品質確認


従来は、エクセルで作成した切削品質日報を紙出力をし、工場内に持ち込み。手書きで結果を記入後、電卓による人力で計算していた


三上様:切削の機械は高速です。2秒ごとに切削されてくる突き板を丁寧に受け取り、1枚1枚の品質を瞬時に見極めるには、常に気を張っている必要があります。そのうえ、一つのロットが完了するごとに切削数と不良品を手書きし、業務の最後には全体の集計もしなければならない。
 
このように現場への負荷が大きかったことだけでなく、工場での作業が終わった後に切削品質日報を受け取る事務担当者も苦労していました。繁忙期には数十枚の切削品質日報が束になって回ってくることもあり、それだけの内容を素早く、正確に転記するのは容易ではありません。しかも、日報に書かれた数字は手書き。個性的で解読が難しい文字もあるほか、現場の人間も忙しく作業していますから、走り書きになりがちです。これを正確に読み取るため、怪しい文字がある場合は記入した現場担当者への確認作業が発生することも日常茶飯事でした。


その結果、「KANNAレポート」導入前は検品結果が管理者のもとへ届くまでに早くても3日、忙しい時期には2週間ほどを要していました。こうした状況を改善し、現場と事務担当者双方の従業員の負荷を軽減しながら、よりスピーディーに不良品率を把握できるようにしたい。これが「KANNAレポート」を導入した目的です。

 

「KANNAレポート」なら従来の紙帳票の見た目を変えず、集計も転記も不要に


—— 従業員の方々の負荷を軽減し、同時に不良品率の把握にかかる時間を短縮する。そのためのツールとして「KANNAレポート」を選ばれた理由はどこにあったのでしょうか?
 
三上様:「KANNAレポート」はExcelで作成した帳票をそのまま取り込むことができ、さらに四則演算設定もできる。そのため入力した数値が自動計算されます。見た目もそのまま再現され、「KANNAレポート」内の帳票の内容が編集・更新されるたびに最新の状態がクラウド上に格納され、工場と事務所の離れた場所にいてもリアルタイムな共有が可能です。
 
その結果、切削品質日報に記入した数字の集計作業が不要になり、、現場担当者が手書きした数字を事務担当者がExcelに転記する必要もなくなる。この二つの作業が同時にまるっと不要になることが「KANNAレポート」の導入に至った大きな決め手です。
 
橋野様:私たちの事業である天然木化粧材の製造には、さまざまな業務が伴います。業務の分だけ、記入と管理が必要となる帳票も多岐にわたりますが、いきなりすべての帳票をデジタルに置き換えては、従業員も戸惑いかねません。特に現場の人間は職人です。手仕事に矜持があり、DXツールに抵抗感を持つ者も少なくないのが正直なところです。
 
そこで「KANNAレポート」の開発・運営元であるアルダグラムのスタッフに相談したところ、「まずは特定の業務からスモールスタートの形をとり、従業員の方々が使いやすいようにカスタマイズしながら、徐々に運用範囲を広げていきましょう」という提案をいただきました。当社の現場に寄り添うような姿勢と提案に安心できたことも、導入の後押しになりましたね。


転記が不要になった結果、バックオフィスの作業が月50時間減


—— では、実際の業務にどのように「KANNAレポート」を取り入れられ、「KANNAレポート」の導入により、どのような変化を実感されているのでしょう?
 
三上様:これまで使用していた紙の切削品質日報は排除し、現在は切削機の脇に「KANNAレポート」専用のパソコンを設置しています。工場には7つの切削品質日報があるので1機につき1台、計7台のパソコンを設置した形です。そして、以前から使用していた切削品質日報をExcelの状態から「KANNAレポート」にインポートし、現場の検品担当者が切削数や不良品数をパソコンから入力。突き板の検品に伴う記入作業を手書きからデジタル入力へ完全移行しました。
 
「KANNAレポート」を導入した今も人の目で検品し、人が数字を入力することに変わりはありません。ただ、入力のツールがデジタル化したことで、数字の自動計算が可能になった。現場の人間からすると、これが最も大きな変化ではないでしょうか。実際に現場の担当者に話を聞いても「ほんまに楽になった」と言いますし、その実感があるからでしょう。導入を検討していた当初にあったDXツールに抵抗感を持つ声は、自然と聞こえなくなりましたから(笑)。若い職人なんかは、すぐに使いこなして「もう前の運用には戻れない、戻りたくない(笑)」と言っています。

工場内にデスクトップを導入し、KANNAで品質管理を行う様子


 
橋野様:そして何より、現場から回ってきた切削品質日報を転記していた事務担当の負荷が大きく軽減されました。これはぜひ、事務担当の山口と西本から直に話を聞いてください。
 
山口様:そうですね。現場担当者が「KANNAレポート」に入力した内容がそのままクラウド上に格納され、私たち事務担当の転記を経ずとも、きちんと整理されたデータとして品質管理者が閲覧できるようになり、切削品質日報からExcelへの転記という作業自体が不要になりました。その結果、パソコンの入力作業時間が月に約50時間も削減。本当に楽になりました。

西本様:山口も私もデータ入力の仕事が本業ではなく、経理や原価管理が本来の担当であるため、特に経理の業務が集中する月末は手一杯です。そこに束になった切削品質日報の転記作業が重なると仕事が追いつかず、時には工場のあるこことは別、奈良県にある当社の事業所の方にお手伝いをお願いし、人海戦術のように転記をしていたこともありました。

事務担当の西山様(左)、山口様(右)


山口様:それが「KANNAレポート」の導入以降は、奈良の事務員さんにヘルプをお願いすることもなくなりましたね。私たち自身も時間に追われることなく業務に集中でき、残業時間も減っています。なぜ、今まで転記の作業に多くの時間がかかっていたのか。それにはやはり、切削品質日報の記入が手書きだったことが大きく影響していました。
 
切削品質日報には品番を記入する項目もありますが、品番はどれもが似通った数字の羅列です。しかし、これを読み間違えれば、品質データそのものが変わってしまいます。そのため、記入された手書きの数字が読みづらい場合には事務所の下にある工場まで足を運び、記入した担当者に正しい数字を確認していました。でも、今ではその手間は皆無です。残業時間の削減はもちろん、心理的負担も大幅に軽減しました。
 
橋野様:現場や事務の負荷軽減だけでなく、品質管理の向上にも「KANNAレポート」が効果的に働いています。不良品の発生率が上がれば、いち早く対応しなくてはなりません。しかし、品質管理の担当者が検品結果を確認できるようになるまで、「KANNAレポート」の導入前は早くても所要3日。それが今では非常にスピーディー。DXの恩恵を実感しています。


全管理業務をデジタルに一元化、データの有効活用から生産性向上へ


—— ありがとうございます。それでは「KANNA」のようなDXツールも活用されながら、御社はどう発展されていくのか。最後に、今後の展望をお聞かせください。
 
三上様:冒頭にお話ししたように、朝日ウッドテックグループ内の各事業所がDXを推進するなか、当社は遅れを取っています。私たちにとって「KANNAレポート」の導入はDXに向けた最初の一歩。最初の一歩としてスモールスタートの形をとりましたが、事務担当者のパソコン入力時間が月約50時間も削減されたとおり、導入の効果は実際の数字からも明らかです。
 
そうである以上、残された手書きの帳票に関しても、今後は「KANNAレポート」に移行していく予定です。手仕事に誇りを持つ現場の職人たちがDXツールを使いこなせるのかどうか、不安があったことも事実です。しかし、どのような運用体制なら現場の人間にも使いやすくなるのか、従業員の声にしっかりと耳を傾け、その率直な声をアルダグラムの方に伝えたところ、手厚くサポートしてくださり、今は現場の皆が「KANNAレポート」を使いこなしています。
 
その手厚いサポートも支えに品質管理だけでなく、生産管理や在庫管理、外注管理といった業務にも「KANNAレポート」活用の幅を広げ、ゆくゆくはすべてを一元管理したい。そして、あらゆるデータをデジタル化できたなら、今後はデータの分析・活用も進みます。DXだからこそ可能なデータの有効活用も視野に、メーカーの命題である生産性向上につなげていきます。

会社名
朝日銘木株式会社
事業内容
銘木突き板・挽き板の製造・販売
設立年月日
昭和48年3月
従業員数
ホームページ
https://www.woodtec.co.jp/company/profile/

記事掲載日:2025年01月07日

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