自社の運用に合わせたカスタマイズ設定で、営業管理と施工管理の双方の進捗を「KANNA」で一元管理

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社

オムロングループの一員として、エネルギー、改札や券売機などの公共輸送、交通管制システムなどの交通安全、決済関連、ネットワーク保護、インフラモニタリング、DX、マネジメントサービスなど社会的課題を解決するためのソリューションを提供するオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社。同社は2024年9月に、初期投資ゼロで太陽光発電システムを導入できる一般家庭向けの低圧PPA(※)サービス「おうちdeソーラー(TM)」をリリース。新サービスの顧客管理に「KANNA」および「KANNAレポート」を活用されています。
新規に立ち上げられた事業・サービスの管理に「KANNA」を選ばれた理由はどこにあったのか。そして、どのような効果を実感されているのか。「おうちdeソーラー」の事業に携わり、新サービスにおける案件管理のスキーム構築にも注力される、エネルギーソリューション事業本部 エネルギーサービス本部 サービス企画開発部の入江知也様、中井琢也様のお二人にお話を伺いました。
(※)PPA:Power Purchase Agreement(電力 販売契約)の略。個人・企業・自治体などが保有する敷地や屋根などの遊休スペースに、発電設備の運用・管理を行う会社(PPA事業者)が太陽光発電システムなどを設置し、発電した電力をその施設の電力使用者へ有償提供するもの。
KANNAを導入した目的
同時多発的に発生するBtoCの案件を漏れなく、遅滞なく、スムーズに管理したい
KANNAを導入する前の課題
(1)Excelとメールを軸とした案件管理では、タイムリーかつ見落としのない情報共有が望めない
(2)膨大な手書きの契約書類を管理するには、アナログな転記方法ではミス発生率が上がる
KANNAを導入した効果
(1)連絡・資料共有・進捗管理を「KANNA」に一本化し、施工担当者だけでなく営業担当者も招待。最新情報を関係者全員がタイムリーに確認できる案件管理が実現
(2)「KANNA」の案件情報に手書きの書類内容を転記。正しく転記された情報を「KANNAレポート」に取り込むことで新規書類発行時の手間をミスなく削減、ダブルチェックも不要に

お話を伺った方
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
エネルギーソリューション事業本部
エネルギーサービス本部 サービス企画開発部
サービス運用企画グループ リーダー
主査 入江知也様(左)
サービス開発グループ リーダー
主査 中井琢也様(右)
オムロングループ内でも数少ないBtoCの受注管理、他社事例を見てセキュリティが信頼できると「KANNA」を採用
—— はじめに、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社の事業内容をお教えください。
入江様:私たちはオムロングループの一員として、社会的課題を解決するためのソリューションをご提供しています。具体的には、エネルギーに関わる機器やシステム、改札や券売機といった公共輸送関連機器、交通管制システムや信号機を含む道路センサーや制御器、クレジット決済端末やクラウドシステム、さらにはネットワーク保護やインフラモニタリング、DXにマネジメントサービスのご提供など、事業は多岐にわたります。
中井様:なかでも、我々が所属するエネルギーソリューション事業本部は、文字どおり、エネルギーを事業領域としています。太陽光による発電電気を家庭用の電気に変換する太陽光発電用パワーコンディショナや蓄電システムの開発・製造・販売を通じ、再生可能エネルギーの拡大に貢献しています。特に電気回路を安全に保護するための継電器は90年以上の歴史があり、その技術を応用した太陽光発電用パワーコンディショナは約30年前から販売を行っています。この実績と信頼が当社の強みです。
私たちは元来、メーカーとしての活動を主としていますが、昨今は売り切りモデルにとどまらず、初期投資ゼロのリカーリングやサブスクリプションといったビジネスモデルにも力を入れています。メーカーとして長く培った開発力と技術力を糧に、我々自身がサービスを提供する事業者となり、サービス事業者視点のものづくりにも、より注力していこう、と。
入江様:その一環として2024年9月に正式リリースしたのが、太陽光発電による低圧PPAサービス「おうちdeソーラー」です。これは事業者である当社の負担によって、一般のご家庭に太陽光発電設備・蓄電池設備を設置し、ご使用いただいた電力を従量課金などの料金体系でお支払いただくサービス。「KANNA」を導入しているのも、まさにこの事業です。
—— 新事業としてリリースされた「おうちdeソーラー」に「KANNA」を導入。導入の背景には、どのような課題があったのでしょうか?
入江様:中井が申し上げたように、「おうちdeソーラー」は一般のご家庭に向けたサービスです。我々のこれまでの事業は、その多くがBtoBtoC。直接応対する顧客は限定的でしたが、この事業はBtoCです。同時多発的に多数の施工案件が発生し、受注ごとに太陽光発電設備を設置くださる協力会社との連携を漏れなく、遅滞せず、スムーズに行う必要があります。
中井様:一般のご家庭に直接サービスを提供するのは、当社だけでなく、グループ全体としても数少ない事例。どのように施工管理をするべきなのか、社内にモデルとなる前例があまりなく、当初はExcelとメールを軸とした管理方法を考えていました。とはいえ、Excelの情報を更新するたびにメールで送るような形では、タイムラグや見落とし、作業ミスが生じることは容易に想像がつきます。
どうしたものか、と悩んでいたところ、偶然に出合ったのが「KANNA」でした。共に「おうちdeソーラー」の事業を進めている同僚がビックサイトで行われていた日本最大級の建設展示会を訪れたところ、「KANNA」のブースが目に留まったそうです。ブースのパネルには、導入企業の紹介として誰もが知る大手企業さんのロゴが並んでいました。それを見て「このサービスなら当社でもうまく運用できるかも!」と思ったわけです。
というのも、当社は社内セキュリティが厳しく、実は「KANNA」を知る以前に他社のデジタル管理ツールの導入を検討していましたが、その他社ツールではセキュリティ要件を満たせず、断念せざるを得なかった経緯があります。しかし、大手企業への導入実績のある「KANNA」なら希望が持てます。そこで、すぐさま展示会で「KANNA」のスタッフに詳しくお話を聞いたという流れです。
営業管理から施工管理までを一元管理、「KANNAレポート」も併用し転記ミスを軽減
—— 「KANNA」導入の決め手はセキュリティレベルの高さだったのでしょうか?
入江様:セキュリティレベルの高さはもちろん、チャットも、資料を格納するフォルダも案件ごとに生成され、案件ごとに担当者の設定ができる点も決め手の一つです。チャットによる連絡や会話も、フォルダを通じた資料共有も、「KANNA」なら別の案件と混在することなく、対象案件に絞ったやり取りが可能。これは同時多発的に発生する複数の受注案件を扱う我々には、非常に重要な要素です。当該の案件を開けば、その案件の情報しか表示されないため、混乱を防げます。
また、「おうちdeソーラー」は2024年9月にサービスを開始したばかり。今後、事業を拡大していくうえでは、案件に関わる担当者も、営業や施工業務に従事いただく協力会社も増えていく見込みです。しかし、その数が増えるたびに管理ツールに対する費用が増大しては、コストが足かせになりかねません。その点、「KANNA」は協力会社に付与するアカウントは無料かつ数の制限もない。今後の事業拡大のためには、これも導入への大きな決め手です。
中井様:それに電子帳票の作成ができ、案件とのひも付けもできる「KANNAレポート」のオプションにも惹かれましたね。太陽光発電設備を設置するには、契約書をはじめ、お客様とのあいだに複数の書類のやり取りが発生します。ただし、お客様に記入いただく際には手書きです。
お客様からお預かりした情報を安全かつ円滑に管理するには、書類の内容をパソコン上に転記し、データ化する必要がありますが、書類の発生ごとに転記をしていてはミスの発生率も上がりますし、二重作業が発生します。それが「KANNAレポート」を活用すれば、転記の頻度を大きく軽減できます。
—— では、実際に「KANNA」を導入され、どのような運用体制をとられているのでしょう?
入江様:施工管理だけでなく、営業管理の段階から「KANNA」を活用しています。営業と施工、それぞれの役割は違っても施工を開始するには顧客情報が必要になり、お互いが事前に連携できてこそ、施工もスムーズに進みます。そこで、お客様や営業担当から寄せられた顧客情報を「KANNA」にインポートし、お客様との契約前、取引審査の段階から「KANNA」で進捗管理をしています。
中井様:これは実際に活用を始めてから痛感したことですが、「KANNA」のカスタマイズ機能は非常に便利。本当に助かっています。「おうちdeソーラー」のサービスは新規に立ち上げた事業なので、私たち自身も最善の管理方法を模索しながら「KANNA」上にどこまで細かく情報を上げるべきなのかも日々、試行錯誤しています。
「KANNA」では、進捗のステータス項目も案件情報の表示項目も、ベンダーを通す必要なく、プログラミングコードの知識がない者でも簡単に、自由に項目の追加や書き換えができます。新規事業を軌道に乗せるには少なからずのトライアンドエラーが必要ですが、トライするのに時間がかかっては非効率。トライを迅速にできる「KANNA」の柔軟性に助けられています。
オムロン ソーシアルソリューションズ がカスタマイズして作成したテンプレート
入江様:これも「KANNA」の柔軟性があってこそですが、お問い合わせ用にも案件テンプレートを作成し、営業段階でお客様から寄せられたご質問の管理にも「KANNA」を活用しています。とはいえ、お問い合わせと受注案件が混在しては視認性に欠け、混乱を招きかねません。そこで、受注案件とは別に「問い合わせ受付→対応依頼→対応開始→対応完了」といったステータスのテンプレートを作成。今後はアフターフォロー用の案件テンプレートも作成する予定です。
中井様:もちろん、「KANNAレポート」も便利に活用しています。すでにお話ししたように、お客様に記入いただく書類は手書きです。ただ、最初にご提出いただく書類の段階で、その内容を正しく「KANNA」の案件情報に転記すれば、例えば、契約申込をいただいた後に、私たちからお客様にお渡しする請書のような書類には「KANNAレポート」を活用できます。
内容に誤りがないか、しっかりと確認した正しい情報を「KANNA」に登録しておけば、その情報を「KANNAレポート」に取り込み、帳票として発行するだけ。取り込んだ情報の正誤はすでに確認済みのため、ダブルチェックの手間を取らずとも、ミスのない書類をお渡しできます。
実際の「KANNAレポート」画面
「KANNA」を用いた運用スキームを定型化し、さらなる事業拡大へ
—— なるほど。お客様への書類発行時に「KANNAレポート」を活用されているのですね。
中井様:ありがたいことに順調に契約件数も増え、今では「KANNA」を大活用しています(笑)。もし「KANNA」を知る以前に構想していた「Excelとメールを軸とした方法」で運用をスタートしていたら、パンクしていたかもしれません。それが「KANNA」なら円滑な進捗管理はもちろん、案件ごとに必要な情報も抽出しやすく、無駄な作業が削減されていると感じます。
入江様:これはもう、中井の言うとおりです。冒頭にもお話ししたとおり、当社にとってBtoCのビジネスモデルは数少ない事例で手探りのスタートではありましたが、サービスの正式リリース直後から、うれしい悲鳴と言えるくらいの反響をいただいています。そうした反響を裏切ることなく、順調に契約数を伸ばせているのも「KANNA」を導入したからこそです。
—— ありがとうございます。それでは、引き続き「KANNA」を活用いただきながら、御社の「おうちdeソーラー」はどう発展されていくのか。最後に、今後の展望をお聞かせください。
中井様:「おうちdeソーラー」は、太陽光発電設備の設置にかかる初期投資をゼロにしていただけるだけでなく、再生可能エネルギーの拡大にも貢献できるサービス。市場のニーズが高まる今、目指すのはサービス開始の2024年9月から3年間で、累計1万件の契約を達成することです。
そのためにはやはり、事業に協力くださるパートナーを増やす必要があります。ただ、協力会社の皆さん全員がDXツールになじみがあるとも限らず、私たちのやり方に抵抗感を持たれてしまっては、せっかくの「KANNA」の利便性を生かしきれません。そうした懸念から、今は現場の方ではなく、施工管理を統括されている方を「KANNA」に招待し、やり取りをしているような形です。
入江様:一方、「KANNA」によって協力会社との連携が深まり、同時多発的に発生する案件管理を漏れなく、遅滞なく、スムーズに行えていることはたしか。そうである以上、いずれは現場の方々にもアカウントを付与し、よりタイムリーな情報共有を実現したいと考えています。
サービス開始から間もない今は、ゼロから運用スキームを築いている状態です。ただ、現在の「KANNA」を活用したオペレーションがより根付けば、今後は業務フローを定型化できます。となれば、DXに抵抗感をお持ちの方もハードルを感じることなく、「KANNA」を活用できます。
中井様:また、ゆくゆくは「おうちdeソーラー」のサービスだけでなく、ほかの事業やプロジェクトにも「KANNA」の導入を広げていけたら、とも考えています。当社には工事を伴う事業が複数ありますし、「KANNA」は営業管理もカバーできます。社内に導入するツールを一本化できれば、経費削減にもつながるはずです。そのように多角的な面からコスト削減、業務の円滑化を図りながら、我々としてはやはり、目標達成に向け、「おうちdeソーラー」の事業拡大を目指していきます。
- 会社名
- オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
- 事業内容
- 太陽光発電設備、PPAサービス
- 設立年月日
- 2011年4月1日
- 従業員数
- -
- ホームページ
- https://socialsolution.omron.com/jp/ja/
記事掲載日:2025年01月17日